超党派の「社会保障国民会議」実務者会議で発言する自民党税制調査会長の小野寺五典(右) Photo:JIJI
首相の高市早苗が「私の悲願」とまで語った消費税減税が迷走する。理由は単純明快。野党も参加して発足した「社会保障国民会議」の実務者会議(議長小野寺五典)の運営にある。高市の命を受けて小野寺が6月中の中間取りまとめを急いだ結果だ。高市が消費税減税を明確にしたのは今年1月19日の記者会見。衆議院解散を正式に表明すると同時に消費税減税に言及した。
「軽減税率(8%)が適用されている飲食料品は2年間に限り消費税の対象としない」
直後の自民党の選挙公約にも盛り込まれたが、減税実施までの具体的な段取り、手順は全くの白紙だった。
「今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」
国民会議の初会合は2月26日に開かれた。高市は「丁寧、スピード感を持って進めたい」と語った。高市は消費税減税については給付付き税額控除導入までの「つなぎ」と位置付けており、実施までの制度設計には時間を要するとみられていた。野党側の反対論だけでなく経済界や有識者から減税実施に慎重論が続出したからだ。
ところが高市は「丁寧さよりスピード重視」(自民党税調幹部)にかじを切り、減税先行に突き進む。早々に「2027年4月1日の減税実施」が固まった。これについても減税に伴うレジシステムの改修を巡って「税率1%なら半年ほどで改修可能」との提案に飛び乗った。「税率ゼロ」は消え、一気に「税率1%」の流れが形成された。
それでも高市は納得できなかったのだろう。1%分の税収を給付金として支給する「実質ゼロ」が打ち出された。折に触れて行われる高市・小野寺会談で示される高市の指示で全てが決まるパターンが繰り返された。驚くべきはその内容もさることながら高市が方針を決めるに当たって誰が関与したのかが全く見えてこないことだ。







