3代目「N-BOX」の改良で
カスタム中心の商品力を強化した理由とは
なぜ、ホンダはカスタムの商品力強化を重視したのか。
ここで押さえておきたいのは、N-BOX全モデルの中でカスタムが最も売れているという点だ。ホンダが示した直近データでは、カスタムが48%、標準モデル36%、そしてJOY16%という比率になっている。
一般的には、標準モデルが主流で、カスタムやJOYは非主流の派生車というイメージを持っている人がいるかもしれないが、N-BOXの場合は違う。
ホンダ関係者によれば、そもそも標準モデルとカスタムの販売比率はほぼ互角である。そこにJOYを加えてN-BOX全量の拡大を狙ったが、結果的に、標準モデルの需要が減り、その分をJOYが穴埋めした形になった。
こうした中、販売店から“カスタムの課題”を指摘する声がホンダに上がってきた。その指摘の内容は、他ブランドの軽カスタム各モデルに対して「見た目の押し出し感が弱いこと」だった。
3代目N-BOX初期モデルでは、新たな時代のカスタムとして押し出し感を目指すのではなく、品格と高性能を表現し、誇りを感じるデザインを用いた。
だが、「誇りを感じさせるアイテムがユーザーに響かなかった」とホンダは分析している。
そのため、今回の商品改良では「迫力や押し出し感(堂々としたたたずまい)により、誇り・存在感を感じさせる」デザイン手法に転換したのだ。
N-BOXの開発・営業部門の関係者 Photo:HONDA
具体的には、フロントフェイスの踏ん張りスタンスを、リアとサイドにも採用し、車両全体で堂々とした“強いカタマリ”を表現した。
フロントグリルでは、骨太・幅広の巨大なクロームグリルを採用、また新作のフロントバンパーではロー&ワイドを強調した。
さらに、フロントアクセサリーLEDを常時点灯させ、昼夜を問わず一文字ライトを強調した。
サイドビューでは、車体下側のサイドシルガーニッシュを新作としてメッキ加飾を追加。
リアビューは、テールゲートガーニッシュにメッキ加飾をしたほか、新作のリアバンパーの下部のガーニッシュにもメッキ加飾を施した。
インテリアについても、イルミネーションをナイトブルーとし、シフトレバー周辺のシルバー塗装化、ドアノブ周辺のピアノブラック化などを加飾して質感を高めた。
その他、9インチGathersナビの標準化、ETC2.0の標準化、センターUSBチャージャーやステアリングヒーターを追加して快適性を高めた。
実車を見ると、カスタムは改良前と比べて“別物”といった印象だ。
なお、標準モデルについても加飾の追加、ファッションスタイルのルーフ色をホワイトに刷新。また、JOYではアクティブフェイスパッケージをグレード別で標準設定して買いやすくしたり、ユーザーからの声を反映させて内装色にブラック系を追加したりした。
こうした、各モデルで商品改良したものの、やはり今回の商品改良は“カスタムが主役”であることを実感した。
なお、大きく印象が変わったカスタムをベースに、50代の子離れ層をターゲットとし(シビック)タイプRのイメージをデザインに反映させた「SPORTY STYLE」や、デュアルエキゾーストシステムや15インチアルミホイールなど無限パーツを拡充するなど、ホンダはカスタム重視の姿勢を明確に示している。







