この問いに対する答えとしては、主に4点が考えられる。
1点目は、立替え払い後、確実に回収できるクレジットカード会社への売掛金を評価していたためだ。2026年3月期の貸借対照表では、減少したとはいえ売掛金は415億8670万円に達する。破産申立書によると、三十三銀行と山口銀行、イオン銀行、関西みらい銀行はクレジットカード会社に対する立替金や売掛金債権に集合債権譲渡担保を設定し、同担保を背景とした融資を行っていた。
2点目は、豊富な現預金を保有していたことだ。2026年3月期の現預金額は597億7022万円。勘定科目内訳書では、普通預金が286億円、定期預金が310億円に及ぶ。融資する金融機関は、倒産時に預金で相殺する契約もあり、これだけ潤沢に見える現預金が金融機関の審査にプラスとなったようだ。
3点目は、信用組合への出資金26億778万円の存在だ。出資金も期限利益を喪失すれば相殺対象となる。
4点目は、無担保の不動産を保有していることだ。本社や東京の京橋、赤坂などの一等地に土地建物など12物件を所有していた。破産申立書の不動産目録では、すべて無担保とされる。実際、不動産登記を確認すると、いずれも担保は設定されていない。
破産申立書では、無担保物件のただし書きとして、「A信用組合による登記留保あり」との記載がある。ただ、一般的に破産開始決定前に登記未了の場合、対抗要件が否認される可能性がある。
2024年1月、審査が通らない加盟店を、他人名義で契約したとして元社員らが逮捕される事態が発生し、全東信の信用は低下した。
この事件で取引を縮小した金融機関もあったようだが、これまでの「定量的な信用」が背景になって、大半は様子見で取引を継続したようだ。それだけ取引にはうまみがあり、資金繰りへの影響を過小評価した金融機関が多かったともいえる。







