素材開発、原料の調達、加工、配送を自社で行い
品質・価格をコントロール、店舗調理を効率化

 サイゼリヤのビジネスモデルの特徴の1つは、素材開発、原料の調達、加工、配送などを自社で一貫して行う垂直統合型であることだ。サイゼリヤは国内に5工場、海外に2工場の食品加工拠点を保有し、店舗への製品供給を行っている。特に、03年から稼働しているオーストラリア工場は、畜産大国であるという立地を活かし、人気商品であるミラノ風ドリアなどに使用するホワイトソースを生産しているほか、ミートソースやハンバーグを製造している。サイゼリヤがこうした垂直統合型のビジネスモデルをとっているのは、品質と価格を自らコントロールするとともに、店舗での調理を効率化することが目的だ。

 また、有形固定資産の中には使用権資産が約183億800万円含まれている。詳細については割愛するが、IFRS(国際財務報告基準)が適用される海外子会社の賃借店舗などが使用権資産として計上されている。なお、土地の金額が約68億3000万円と小さいのは、サイゼリヤの店舗がある土地の多くが借地のためだ。

 流動負債の約3割は買掛金(約104億2700万円)で占められている。これは、比例縮尺図から想定した通りだ。また、固定負債には長期借入金が約60億円含まれている。

 続いてP/Lを見てみると、売上高が約2567億1400万円であるのに対し、売上原価は1076億3100万円(原価率は約42%)、販売費及び一般管理費(販管費)が1335億8300万円(販管費率は約52%)となっている。その結果、営業利益は約154億9900万円計上されており、収益性を示す指標の1つである売上高営業利益率(=営業利益÷売上高)は約6%を確保している。

 一般に、飲食業で利益を出すためには、原価率を30%前後に抑えることが必要とされる。一方で、サイゼリヤの原価率は約42%と、飲食業の標準的な水準と比較するとかなり高い。

 サイゼリヤの原価率が高い理由とは何なのか。そして、原価率が高いにもかかわらず、なぜ利益を出すことができているのだろうか。