「チョコレートは、お菓子において定番ではありますが、アイスでここまでチョコレート感を得られるものは、当時ほかにはなかったため、あくまでも板チョコらしさにこだわって開発を進めました」と森永製菓マーケティング本部冷菓マーケティング部第二グループの谷山実希氏は説明する。

板チョコアイス森永製菓マーケティング本部冷菓マーケティング部第二グループの谷山実希氏 Photo by M. F.

 板チョコアイスは、バニラアイスをチョコレートで包んだ形状になっているが、アイデアのきっかけは、商品開発メンバーがイタリアへ旅行中、チョコレートでアイスをサンドしたスイーツに出会ったことだったという。

 商品開発において苦労したのは、板チョコらしい鋭角な形状の金型づくりと、低温でもパキッとした食感と口溶けの良さを両立させるチョコレートの配合だった。

 通常の菓子用チョコレートをそのまま使うと低温では口溶けが悪くなってしまうため、独自のブレンドを模索した。また、担当者が理想の金型を求めて板金工場を訪ね歩いたというエピソードも残っている。

パッケージ変更が引き金になり
休売に追い込まれる

 満を持して1995年夏に発売となった板チョコアイスは、直後から大きな反響を呼んだ。当時は珍しいチョコレート比率の高い(現在は45%)アイスということで、「チョコレートでもアイスでもない新しい存在」(谷山氏)として消費者に歓迎されたのだ。

 また、板チョコを丸かじりしたいという願望を、アイスという形で叶えてくれるといった顧客の声も多かった。結果的に、中高生から20代前半の女性を中心に、人気に火がついたと見られている。

 ところが、3年後の1998年、予想もしなかった“事件”が起きる。