しまむらは原価率約65%
ユニクロやZARAより高くても儲かる理由
続いて、P/Lについても見ていこう。売上高が約7013億8400万円であるのに対し、売上原価は約4561億3000万円(原価率は約65%)、販売費及び一般管理費(販管費)は約1837億7100万円(販管費率は約26%)だ。営業利益は約614億8300万円で、売上高営業利益率(=営業利益÷売上高)は約9%となっている。
一般的に、アパレル業の原価率は40~50%程度であることも多いが、それに比べてしまむらの原価率は約65%と高い。これは、しまむらがメーカーや商社といったサプライヤーから商品を仕入れて販売する、「仕入型」のビジネスモデルをとっているためだ。仕入型においては、サプライヤーにおけるマージン(利ざや)が原価に上乗せされるため、ユニクロなどを運営するファーストリテイリングやZARAを運営するINDITEXなどに代表されるSPA(製造小売)型に比べて原価率が高くなる傾向にある。
一方で、しまむらは店舗業務のマニュアル化を進めてパート社員中心で店舗を運営できるようにするなど、効率の高いローコスト運営を徹底しており、それが販管費率の低さに結びついている。しまむらの販管費率は約26%だが、これはファーストリテイリングの約38%(25年8月期)に比べて約11ポイントも低い(四捨五入の誤差があるため、%値の差とポイント数は一致していない)。
これが、仕入型で原価率が高いにもかかわらず、しまむらが約9%という売上高営業利益率を実現できている理由だ。
在庫の少なさがもたらす
経営への2つのインパクト
では、実際の決算書を確認していこう。以下の表は、しまむらの決算書を要約したものだ。
しまむらの要約連結財務諸表(2026年2月期)、筆者作成 拡大画像表示
B/Sを中心に見ていく。まず、負債の中身を見てみると、借入金や社債といった有利子負債が含まれていないことが分かる。比例縮尺図から想定した通り、しまむらは無借金経営を行っている。
流動資産において最大の金額を占めているのは有価証券(約1531億8300万円)だ。これに現預金(約891億8500万円)や固定資産に計上されている投資有価証券(約556億7700万円)を合わせると、約2980億4500万円となる。この金額は総資産の約54%、月商(=売上高÷12カ月)の約5.1カ月分に相当する。手元資金の水準はかなり高い。
一方で注目すべきは、商品(在庫)の少なさだ。B/S上の商品は約609億2300万円で、在庫を仕入れてから販売するまでの期間の目安となる棚卸資産回転期間(=棚卸資産÷〔売上高÷365〕)は約32日となっている。ファーストリテイリング(25年8月期)の棚卸資産回転期間が約55日であることを踏まえると、しまむらの棚卸資産回転期間はかなり短いといえる。過去の実績と比較してみても、20年2月期の約36日から約4日分短縮している。







