なぜ「軽自動車の幅のまま」にしなかったのか
F:なるほど。そうして長さを決めた。先ほど「軽さこそ正義」と伺いました。それなら軽自動車幅のジムニーを、そのまま長くしてしまえば良いじゃないですか。軽の横幅はそのままで、縦方向だけ長くする。そういう案はなかったのですか? シエラをベースにすれば、幅も重さも増えてしまいますよね。
佐:いえ。軽のジムニーをそのまま伸ばすという発想はありませんでした。ホイールベースをこれだけ延ばすと、軽ジムニーのトレッドでは安定性の面で厳しくなる。ノマドの長さであれば、シエラのトレッド幅が最低限必要です。ですから「ジムニーを伸ばす」というより、最初から「シエラを伸ばす」という考え方です。
「ジムニーシエラ」は、普通車バージョンの3枚ドアジムニーだ(広報写真)
前後方向だけをニューッと伸ばして、横幅は軽自動車のまま。そんな細長クルマでは、山道での踏ん張りが効かなくなってしまう。横風にも弱くなる。長くなった車体には、それに見合うだけの横幅が必要だ。軽さを尊ぶからといって、何でも小さければ良い、という訳ではない。
伸ばした分だけ、鉄を足した理由
佐:お客様からすれば、「シエラを切って伸ばしただけじゃん。後席ドアを付けただけじゃん」と見えるかもしれません。でもラダーフレームをそのまま伸ばすだけでは、間違いなく剛性は落ちてしまいます。
フレームは大きく分けて3つの部分で構成されています。その中央部分を延長する形になるのですが、新たに(横方向の)センターフレームを追加しています。さらにフレームの内部にも補強を入れています。
図:ジムニーノマドのフレーム(広報画像) 拡大画像表示
F:伸ばした分の鉄が増えただけではなく、伸ばしたことで弱くなる部分を補うための鉄も増えている、と。
佐:その通りです。強くするために重くなっている部分があります。まず大きく違うのはフレームです。







