動物は因果関係ではなく
「相関関係」で生きている
山極:僕は、動物というのは因果関係じゃなくて相関関係で生きていると思うんです。つまり、「こういう現象が起こったときにこういう現象が起こる」という関係性です。
たとえば、この木を揺らしたら、ゾウが吠え声を上げた。なぜゾウが吠え声を上げたんだろうという因果関係まではいかないけど、こういう行為をしたらゾウは吠えるということはわかる。
それはつまりHOWですよね。この相関関係は、動物はみんなわかっていると思う。というか、動物は皆、それで生きているといってもいい。
昔はそれを、イヌはベルを鳴らすとよだれを垂らすという「パブロフの条件反射」のように考えたのだけど、それは反射ではなく、実は相関関係なんです。世界というのは、そういう相関関係の連鎖でできているわけです。
こっちにこの実がなっていれば、あっちにも実がなっているはず。こうした相関関係をもとに動物は食べ歩いていく。この実がなる季節には別の実もなっているというのは因果関係ではありません。
因果関係まで至るには、なぜこの実がなったら別の実がなるんだろうっていうところまで遡る必要があるわけで、そこまで動物は考えないんですよ。
自然というのは複雑にできているように見えるけれども、連鎖しているわけだから、その連鎖を覚えれば、それほど間違わずに行動できるようになります。実は、生きる上では、因果関係を知るよりも、その連鎖、相関関係を知る方が重要なんですよね。だから動物は相関関係に依存して生きている。
動物は何が起きても
誰かのせいにはしない
ジャングルの中に入っていくとき、「何か変だな」と、以前の自然との違いを感知したときに、「この前、こんなことを感じたときにこういうことが起きた」ということを思い出せば、「これはちょっとやばいな。これは避けておこう」ということになるでしょう?人間でも、狩猟採集民の人たちは皆そういう感覚を持っています。







