「友達と離れたくない!」
受験直前まで悩み続ける

 算数や理科とは対照的に偏差値が低迷していた国語と社会は集中的に弱点克服に取り組み、成績はアップ。桜蔭合格まで順調に突き進んだかと思いきや、「娘は直前まで、受験するかどうか迷っていました」(夕佳里さん)。

 理由は、小学校で仲の良い友達と離れるのがつらかったこと。周りに中学受験をする家庭が少なく、友達から「なんで別の学校行くの?」と言われることもあった。結莉さんの気持ちは、何度も揺れ動いた。

 夕佳里さんは娘が悩んでいる気配を感じると、タイミングを見計らい、時には1日かけて話し合いの場を設ける。受験をやめるメリットと続けるメリットを伝えながらも、決断は本人に委ねるというスタンスを貫いた。

「親の押し付けで決めたことは本人が一生後悔するので。無理強いをせず、相手が何を求めているかを考えて動く姿勢は、仕事も子育ても同じです」

 最終的に結莉さんが決意。そして、桜蔭合格を見事果たし、進学後は友達もできて「学校が楽しい!」と笑みを漏らす。父親譲りの“数字好き”は相変わらずだ。

「見かけた車のナンバーで素因数分解したりして、父と娘2人で盛り上がっています」(夕佳里さん)

 受験校選びでは夫婦で意見がぶつかることもあったが「今となってはいい思い出」と、毅さんは言う。両親が娘の思いを尊重しながら試行錯誤したことは、見えない力となって、結莉さんを合格へと導いたのだろう。

桜蔭合格を勝ち取った「フルタイム共働き夫婦」、薬剤師の母が“覚悟を決めて”早朝に取り組んだこと下/父親の毅さんが買ってきた ルービックキューブにハマり、 今では大得意に。 父と娘で競い合うこともある

 

桜蔭合格を勝ち取った「フルタイム共働き夫婦」、薬剤師の母が“覚悟を決めて”早朝に取り組んだこと「ノートは見やすいように、 ます目は気にせず大きい字で書く」が 結莉さんのモットーだ。