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2023年、秋田県でクマの目撃が過去最多となった。元東京農業大学教授の山崎晃司氏(現・茨城県自然博物館館長)らは翌年、クマ11頭にGPS首輪を装着して行動を追跡し、クマが人里に出てくる理由や人慣れする原因を追った。GPS首輪で見えた、里に出てくるクマの実像とは? 人間もクマも大好物の「遭遇率を高める山菜」とは?(フリーライター 伊藤博之)

GPS首輪で見えた
里に出るクマの実像

 2023年の秋田県内におけるクマの目撃件数が、前年の842件と比べて4.3倍の3612件(ツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」ベース)となり、過去最高の記録を更新しました。

 この大量出没を受けて東京農業大学地域環境科学部教授を務めていた私は、秋田県自然保護課、鹿角市、東京農工大学、NHK秋田放送局とチームを組み、「里に出るクマ、出ないクマの違いは何か」をテーマにした研究を24年7月から始めることになったのです。

 具体的にどんな研究だったかというと、北奥羽山脈で連なる鹿角市花輪エリアと「マタギの里」で知られる北秋田市阿仁エリアで捕獲された11頭のクマに全地球測位システム(GPS)機能付きの首輪を付けて、2時間ごとにクマの居場所を追跡するものでした。

 そうすることで、クマが実際にどれだけ人間の生活圏に依存しているのか、その中には1年間ずっと人の生活圏に依存しているクマがいるのか、ある時期だけ利用しているのであれば、人間の生活圏に依存していない時期はどこに行っているのかなどを調べるものだったのです。

 11頭のクマのうち半数以上がオスでしたが、未成獣から成獣まで幅広い構成を組めました。