「枯れた汐留」と酷評された
「カレッタ汐留」は今どうなっている?
「カレッタ汐留」の地上階 Photo by H.M.
通路のわかりにくさに戸惑いながら約20分。ようやく目的地「カレッタ汐留」に着いた。
劇団四季の劇場や大手企業の本社などがあり、2002年のオープン時は「東京のオシャレな最先端スポット」として人気を集めていた(なお翌年に六本木ヒルズが開業)。
しかし、コロナ禍で大手企業はリモートワーク中心に。人通りが激減し、テナント撤退が相次いだことから「枯れた汐留」と揶揄されるようになった。当時、筆者も所要があって訪れたのだが、2階部分は閉鎖され「動画撮影禁止」の看板が立てられるなど物悲しい雰囲気が漂っていたのは今も覚えている。
現在は、閉鎖されていた2階に寿司店が入るなど、空きテナントは減っていた。訪れたときはちょうど劇団四季の公演が終わったころだったのか、付近ではそれなりに人を見かけた。
一方で、以前よりもワークスペースや休憩所が増えたことが気になった。テナントが入らないため、空き区画を有効活用しているのだろうか……。最悪期は脱したようだが、なおもテナント集めに苦戦している様子が見受けられた。
「カレッタ汐留」の地下1階 Photo by H.M.
カレッタ汐留が苦戦する背景には、「オフィスワーカーが減った」だけでは片づけられない弱点があると感じた。「集客施設としてどうなの?」と思うくらい、建物全体が迷いやすい構造なのだ。
例えば、ららぽーとやイオンモール、百貨店などの大型商業施設は、建物の中心もしくは端に、エスカレーターやエレベーターが複数フロアを貫いて各フロア同じ場所にある。建物の中心にエスカレーターがあれば、ぐるぐる上ったり下りたりしながら「あの場所にあの店があるな」などと全体が見渡せる。
そういう感覚がカレッタ汐留にはまるで、ない。導線は非常に複雑で、エスカレーターや階段で同じような道を通って地下から地上3階まで行き来できない。
例えば、地下1階の飲食店から1階に出るには、奥まった場所にあるエスカレーターを進む。しかし看板の位置が不自然で「ここを通って本当に地上階に行けるのか?」と疑うほどだ。実際、筆者以外にも戸惑う様子の人が散見された。

「カレッタ汐留」の地下1階から地上に上がる導線がわかりにくい Photo by H.M.
「カレッタ汐留」1階の劇場付近 Photo by H.M.
1階の劇場入口に着いても、3階のペデストリアンデッキに出る道はさらにわかりにくい。「非常階段か関係者出入口か?」と見間違うほど奥まった場所から階段で向かうか、エレベーターに乗り換えるしかない。
3階まで上がってペデストリアンデッキに出ると、利用者は少なく、地下出口とのギャップを感じた Photo by H.M.
おしゃれかつ豪華な設計で建物としては素晴らしいと思う Photo by H.M.
総じて、カレッタ汐留は非常におしゃれかつ豪華な設計で建物としては素晴らしいと思うが、商業施設としての導線には疑問符が付く。
また、劇団四季など休日に賑わう施設がある一方で、日曜休みのテナントが目立つなど、営業時間のちぐはぐさも目立つ。大企業のオフィスと有名劇場という全くニーズの異なる施設を1カ所にまとめたばかりに、異なる客層を同時に取り込む難しさも感じられた。







