この写真に寄せられた反発的な投稿とは、「あの会社は顔採用だ」「調子に乗ってそう、仕事ができなさそう」といったものでした。A社には「調子に乗っている」「過去に派手だった女性を採用するな」といった抗議が殺到し、コメント欄を封鎖。
最終的に投稿は削除しましたが、一度拡散された個人情報は完全には消えず、写っていた社員の一部は精神的な負担から個人のSNSを削除する事態に発展しました。
A社の広報担当者は当初、不適切な行動が拡散されたものではなかったため事態を静観していましたが、拡散のスピードに対応が追いつかず、投稿削除の判断が後手に回ったのです。
なぜ「若手社員の写真」が
攻撃の対象になったのか
不適切な行為は一切撮影されていないのに、突然起きたSNSの炎上――この事例は「妬み・嫉妬」から来る感情的な反応を招いたのです。写真に写っていた社員が「仲が良さそうな」「楽しそうな」20代社員だったことが、閲覧者の間に無意識の反感を生んだと考えられます。
SNS上での炎上は、必ずしも「悪いことをした人」だけに向かうわけではありません。むしろ「恵まれているように見える人」「自分より優遇されているように見える人」に対しても、不公平感や嫉妬などの感情から攻撃が向けられるケースも少なくありません。
さらに、集合写真に加えて社員証を付けたまま投稿するという「本人が特定できる形式」であったことも拡散を加速させました。匿名性の高いSNS上では、群衆心理が働きやすく、一人が特定作業を始めると、他の利用者も「正義感」や「祭り感覚」から便乗し、個人情報の暴露がエスカレートしやすいため注意が必要です。
投稿企業にも「二次被害」の
法的責任が生じ得る
今回のように不適切行為が見られない場合でも企業のSNSが炎上してしまった場合には、いったいどのような対応が必要となるでしょうか。そこで、SNSのトラブルや企業法務に精通する弁護士法人かける法律事務所の細井大輔弁護士に聞きました。
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――この事例では、投稿によって社員が精神的に疲労してしまう事態に発展しました。投稿をした企業側に責任は生じるのでしょうか。
細井弁護士:まず、押さえておきたいのは、写真に写った社員本人の「肖像権」や「プライバシー」に関する問題です。







