3 権利侵害が認められる場合には、速やかに法的対応を検討する
本人を特定できる情報や誹謗中傷が拡散されている場合には、プラットフォームへの削除要請をはじめ、必要に応じて発信者情報開示請求などの法的対応を速やかに検討することが重要です。また、悪質な事案では、法的措置を講じる方針を公表することが、更なる誹謗中傷や情報拡散の抑止につながる場合もあります。
4 被害を受けた社員への支援を行う
炎上の対象となった社員は、大きな精神的負担を受けることがあります。必要に応じて産業医との面談やカウンセリングを案内するなど、心理的なケアを含めた支援を行うことも企業の重要な役割です。
細井大輔(ほそい・だいすけ)/弁護士。2007年弁護士登録。日本で最も歴史のある渉外法律事務所・ブレークモア法律事務所にて企業法務を中心に取り組み、2016年に大阪・北浜にて「かける法律事務所」を設立(現在法人化)。企業法務・コンプライアンス・不祥事対応・知的財産・M&A・労務人事問題など幅広い分野を手がけ、企業の持続的成長を法務面から支援。コンプライアンス研修・ハラスメント予防研修の講師としての登壇実績も多数。
投稿前のリスクチェックの徹底と
炎上時の初動対応の準備を
細井弁護士:企業は、「不適切な行動が写っていたわけではない」という理由で対応を後回しにしがちです。しかし、SNSの炎上は「何をしたか」だけでなく、「どのように受け止められたか」によって発生することも少なくありません。そのため、炎上の原因を問わず、まずは社員の安全や権利を守るという視点で迅速に対応することが重要です。
好意的な意図で発信した情報が、思わぬ形で炎上につながることは、現代のSNS社会では決して珍しいことではありません。写真1枚から本人が特定され、深刻な誹謗中傷やプライバシー侵害につながるケースもあります。
企業は、炎上してから対応するのではなく、SNS投稿基準や承認フローを整備し、投稿前のリスクチェックを徹底するとともに、炎上時の初動対応や法的対応をあらかじめ準備しておくことが重要です。
※プライバシー保護のため、登場人物に関する情報の一部を変更しています。
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