「2年後には私が責任を持って、確実に
税率を元に戻してまいります」発言の背景
高市首相は27年4月から、中低所得層の負担軽減のために飲食料品の消費税率を2年に限って、8%から1%に引き下げると表明した。現場の事務負担はあるが、技術的に対応は可能と政府は判断した。
それに続く27年6月からは、所得に連動したきめ細かな給付を先行導入するという。そして29年4月には、所得に連動したきめ細かな給付を、本格導入する方針だ。そのタイミングで、食料品消費税率を8%に戻す。所得連動の給付本格導入までのつなぎとして、食料品消費税率を引き下げる。これが消費税引き下げの大枠である。
まず、1%への引き下げの要因としては、スーパーマーケットなど小売業界の現場への負担配慮があった。税率をゼロにする場合、小売企業では最大10カ月から1年程度の準備期間が必要になるといわれている。0%が免税や非課税なのか、あるいは税率0%なのか、システムのプログラムを大幅に改修する負担は重いという。
一方、1%の場合、改修は6カ月程度で済むようだ。システム切り替えに必要な時間を抑えるという点で、政府は1%を選択した。
システム改修費用は1社当たり数百万円、大手では1億円弱に達するとみられる(政府調査など)。こうしたコストは、29年に1%から8%に戻す際にも発生する。数年後の人件費やシステム運用コストの増加を考えると、引き上げ時のコストはより増えそうだ。
また、29年に1%から8%へ税率を戻すことについて、首相は「財政の持続可能性」を実現して、「市場の信認」を確保する意図があると説明した。「2年後には私が責任を持って、確実に税率を元に戻してまいります」と発言した。
ただし現時点では、8%へ戻す法制度は明確ではない。技術論として税率の引き下げは可能であっても、2年の時限措置と断言できるかどうかも明確ではない。そもそも、2年後に高市首相がその地位にいるかどうかも不確定である。







