多くのCA志望者が一般企業と併願しています。CAに求められる語学が堪能でホスピタリティが高く、ストレス耐性もある学生は、総合商社、IT、コンサル、大手ホテルなどからも引く手あまたです。

 そのため、エアライン側も一般企業に優秀な学生を取られまいとインターンシップからの早期選考ルートを設けたり、採用スケジュールの前倒しを行ったりと、激しい人材争奪戦が繰り広げられています。

――就活生の親はCA職をどう見ていますか。

 コロナ禍の運休や出向のニュースで、一時的に「航空業界は不安定」という懸念を持つ保護者が増えたのは事実でしょう。しかし、運航が正常化し、過去最高益を出すなど業績が急回復したこと、さらに各社が初任給の大幅な引き上げ、ベースアップや働き方改革を断行したことで、不安はかなり払拭されたと思います。

――AIの台頭や自動化が進むと、CAの役割や頭数自体が変わると思いますか。それにより「CAになりたい」という夢の質は変わると思いますか。

 AIや自動化は、多言語の自動翻訳など今後導入が推進されていくと思いますが、CAの人数が劇的に減ることはありません。CAの最大のミッションは「保安要員」であり、緊急時のパニックコントロールや避難誘導はAIには代替できないからです。

 国土交通省航空局の運航規程で、旅客機の座席数に応じて最低乗務員数が定められているので、それが変わらない限り1機に乗務するCAの数も変わりません。結果として、作業的なサービス業務は自動化され、CAはより高度な「保安・安全管理」と、AIにはできない「人間同士の心を通わせるパーソナルなおもてなし」に特化していくことになるでしょう。

 志望者の夢も、「ただ華やかにサービスをしたい」から、「プロフェッショナルとして安全と最高の空間をマネジメントしたい」という、より自律的で専門性の高いものへと質が変わってきています。

本城善也/大学卒業後、イカロス出版に入社。「月刊エアライン」編集部などを経て、「読めば飛行機に乗って旅したくなる」がコンセプトの『航空旅行』を創刊。2024年からは航空業界の就職情報誌[エアステージ]の編集長も兼務する。