若手にとどまらず管理職も
重要性高まる社会人の学び直し
AIは、作業の自動化を加速できる。かなり複雑な計算処理も高速化している。文字、数字で表現し処理できる業務は、代替可能だ。
この影響は、若手社員にとどまらない。経理、人事、システム管理などの管理職の業務に対しても、同じようにAI代替は加速する。関連職種の雇用は減るだろう。AIによる雇用喪失懸念の主たる内容だ。
一方、特定の能力を持つ人は必要になる。例えば、IBMが求めるようなチーム全体の目標を設定し、組織をまとめる能力を持つ人。曖昧な状況の中でベストな意思決定を下すことができる人。そうした人材への需要は増え、賃金も追加的に上昇するだろう。
こうしたマネジメント人材を、労働市場から期間限定で採用する企業が世界的に増えている。海外では、「フラクショナル・エグゼクティブ」(有期限・複数社兼務の専門幹部)という呼称の働き方の人が増えているのだ。
米大手コンサルティングのデロイトがまとめたAI関連の年次調査報告書では、2027年までにAI(AIエージェント含む)を業務に組み込む計画がある企業は74%に達したという。しかしその内、必要な管理体制を整備できているのは21%に過ぎなかった。
このギャップを埋めるため、フルタイムで最高技術責任者(CTO)を1人雇うのではなく、必要なスキルを持つ専門家を月額契約と成果報酬で起用する。中には、AIシステム構築・運営の助言だけでなく、実装まで組織横断的に指揮する契約もあるという。
AIの機能が進歩したことで、専門性の深化と応用できる分野は拡大するだろう。それに伴い、私たちが収入源を多様化できる可能性は高まっている。重要なのは、多様な人や組織と出会うことで新たな知見を会得し、専門性を高めることだろう。
これは人にしかできない。そうした能力を磨くため、社会に出てからの勉強、つまり学び直しの必要性が高まっている。例えば、人事の専門家が、法律やシステムに習熟することができれば、活躍範囲を広げることができる。
学び直しによって、これまで縁のなかった分野でビジネスチャンスを見出すこともできるだろう。いかに自分を高めるかは、私たちの人生にとって極めて重要なファクターになりつつある。意識変革が必要だ。








