EVは冠水すると感電するって本当?(写真は中国BYDの上級ブランドモデル「U8」)EVは冠水すると感電するって本当?(写真は中国BYD上級ブランドの「U8」) Photo by Yoichi Morohoshi

ゲリラ豪雨による「クルマの水害」が深刻です。万が一のときにどうするか?気になる7つの情報をまとめました。愛車は大事ですが、命の方がもっと大事なことを肝に銘じて行動しましょう。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

緊急脱出ハンマーで割れる窓と
割れない窓の決定的な違いとは?

【疑問1】最近テレビでも紹介されている「緊急脱出ハンマー」って何?

 ドアウインドウは『強化ガラス』を使っているので、普通のハンマーで叩いても割れません。なので、先の尖った専用のハンマーで叩く必要があります。カー用品店やホームセンター、通販サイトで売っている、「緊急脱出ハンマー」を使うと、腕力がない人でも簡単にドアウインドウを割ることができます。

 叩き方は、手首のスナップを効かせましょう。必ず、窓枠の近く(四隅)を叩きます。中心部を叩くとガラスがたわんで力が分散してしまいます。それでも中心部に力一杯ハンマーを振りかざし続けると、ガラスを突き破ってむしろ危険です。怪我をするかもしれないので、「窓枠の近く、軽くスナップ」と覚えておきましょう。

 強化ガラスの表面には縮もうとする力(圧縮応力)がかかっています。脱出ハンマーのように先が尖ったもので叩き、先端がわずかに食い込むと、応力のバランスが崩れてガラス全体が一気に崩壊します。ガラスは細かい粒状になり、バラバラと砕け散ります。

 しかしながら、脱出ハンマーでも割れない窓があります。フロントウインドウです。

 フロントウインドウは、真ん中に樹脂の中間膜を挟んだサンドイッチ構造の『合わせガラス』を使っています。なぜ強化ガラスではないかというと、予期せず飛び石などが当たると全体にヒビが入り視界を妨げるからです。フロントウインドウには合わせガラスの使用が法規で定められています。

 一方で、合わせガラスは遮音性が高い特徴から、高級車ではドアウインドウへの採用が増えています。最近の新型車では三角窓、フロントドア、リヤドアに合わせガラスを採用するケースが見られます。

 合わせガラスは脱出ハンマーを使っても割ることができません。なので、マイカーのドアウインドウが『強化ガラス』か『合わせガラス』か、まず確認しましょう。

【疑問2】クルマが水没して身動きが取れなくなった!どうすればいい?