衝動買いで経済がよりよく回るので、社会としては「衝動買い=奨励される行為」となります。だから、「別の物を買ったほうがよかった」と思ったら、またがんばってお金を稼ぎましょう。

「期間限定」は今を楽しむ
動物としての本能を刺激する

 夏限定のビールや、冬季限りのチョコレートを買ってしまうのは、「人間のさが」です。動物と同様に「今を楽しむのが大事」とする本能の表れなのです。

 おまけに期間限定ならば、「今味わわなければ二度と味わえない」という切迫感が伴い、欲望が喚起されて購買行動につながりやすくなります。今お金を使ってしまったら、将来別のものが買えなくなることには、気が回らないのです。

 ここでちょっと仮想的な問題を考えてみましょう。

(1)今日1万円もらう
(2)明日1万1000円もらう

 さて、どちらを選びますか。多くの方は(1)を選択するでしょう。

 それでは、

(3)1年後に1万円もらう
(4)1年と1日後に1万1000円もらう

 今度は、どちらを選びますか。(4)を選択するという方が多いのではないでしょうか。

 どちらのペアも、1日経過するだけで1000円増えるので、そちらが選択されそうなのですが、(1)の「今日」には、特別に大きな価値が伴うのです。

 過酷な自然環境で生活していた時代は、将来が不確定でした。いつ死んで失われてしまうかわからない未来のために努力するよりも、今が大事なのはあたり前です。だから、人間もほかの動物と同様、今を優先するのです。

 しかし、文明の時代になって生活の安全が保たれるようになると、将来が見通せるようになりました。経済も安定していれば、期間限定を買わずにお金をとっておいて、1年後にもっといい商品を買うとよいかもしれません。

 人間はほかの動物と違って、将来を考えられるようになりましたが、それを現在と比較するのは上手ではありません。高校生はよく、部活動に打ち込んで充実した学校生活を楽しむのがよいのか、勉強に打ち込んで将来のための知識や技能を身につけるのがよいのか、迷います。