『風、薫る』第130回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第130回(2026年9月25日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
読めば目の前の倒れた人を助けられる一冊の誕生
最終回。明治時代、まだ医療のなかに看護という職業が確立されてなかった時代に、看護婦となり、患者に寄り添い続けたふたりの女性の思いが、令和のいまも受け継がれていることが爽やかに描かれた。
ラスト、見上愛と上坂樹里が現代風の看護服で登場するところも見どころだ。
桜の花びらが風に舞っている。
長い年月が流れて。ついにりん(見上愛)の本の発売日を迎えた。表紙には「実践看護法 一ノ瀬りん」(実践は旧字)。「看護の知識が全部詰まった辞書みたい」とみんな盛り上がる。
だが、りんは「やっぱり、看護とは何かってちゃんと書けばよかったかな」とこの期に及んで後悔している。
「わからないことはわからないままが誠実だって書かなかったのはりんでしょ」と直美(上坂樹里)がまたツッコむ。
りん「徹底した実用書にしようと直美さんが言ってくれた」
直美「どんな理想の看護も正しい看護技術の積み重ねの上にしかないって言うから、なるほどって。それに、看護の精神はここで教えていくのが一番なんでしょ?」
こういったやりとりを経てできた本なのだ。
もはやこのふたりのこういったやりとりは漫才コンビのネタのようなものと思って聞いたほうがいいだろう。
最終回で改めて、ふたりの属性をおさらいしておこう。
りんは、考えるより行動。そのため、論理的思考と言語化が苦手。直美は、いい意味で計算高く、先を見越して行動する。相手をうまく懐柔するのも得意。共通点は、困っている人を助けたいと思っていること。
そんなふたりが喧々諤々話し合ったすえに出来た「実践看護法」は看護とは何かと一言では語っていないが、包帯の巻き方から各病気ごとの看護法が隅々まで細かくずらっと記されている。
この本が一冊あれば、どこにいても看護の方法がわかって、実践できる。読めば、目の前の倒れた人を助けられる。であれば、看護とは何かという観念が書いてなくても全然OKだろう。







