それでもダメだと言われたとしたら、それは上司が感情的になっているのか、リスクを負いたくないと思っているかのどちらかです。その場合、相手の立場や考え方を想像しながら、アプローチの方法を変えていく必要があります。
いくらこちらが論理的に説明しても、感情的な上司はなかなか耳を貸してくれません。だったら、こちらも感情に訴えかけるという手が考えられます。数字や論理ではなく、この企画をやることがいかに素晴らしいか、企画が実現したらどんなにワクワクするかなど、心を動かす方向で楽しそうにプレゼンすれば、相手の食いつき方が変わるかもしれません。
その場合、あらかじめ雑談の中で「今、こういう企画を考えてるんですよ」と楽しそうに話をしておくという手もあります。
いきなり判断を仰ぐのではなく、上司を「楽しい企画の実現」というストーリーに巻き込んでいくようなイメージです(実際は意見を取り入れなくても、聞くことに意味があります)。
相手が何を恐れているかで
説得の方法を変える
リスクについては「なんとなく危なそう」など、感覚的に拒否感を抱く人も多いので、できるだけ具体的な数字でリスクも提示するといいと思います。
特に大規模なイベントの場合は、過去の事例から最低限のチケット販売数や制作費を示し、万が一赤字になっても会社として痛手を負うほどではないという話をすることもありました。
成功すればいくらの利益が出るか、というメリットよりも、損をしないかどうかが問題になりやすいからです。
難しいのは、こちらのやろうとしていることが気に食わない、部下に説得されるという状態が受け入れられない、というタイプの上司を相手にすることです。
そんなとき、会社員だった頃の私は、さらに上の役職の方に企画を持って行っていました。無茶をしていると思われるかもしれませんが、らちが明かない交渉を続けるくらいなら、さらに上を攻めてしまったほうがいい。
実際、上の承認を得られたことで企画があっさり通ったこともあります。
『「自分でやらない」ほうがうまくいく 信頼されている人だけが知っている7つのルール』(石井 玄、PHP研究所)
企画を成立させるにあたり、複数の部署の承認を得る必要がある、というケースもあります。
筋を通す必要があるときは、内心「無駄だなぁ」と思いつつ各所に頭を下げに行くこともありました。生意気な社員ではありましたが、最短距離での企画実現のためにするべきことを優先させていたからです。
この場合も、上司のさらに上の上司から説得するように、一番ネックになりそうな部署から説得していくのが効率的です。
ほかの部署も、結局その部署の反応を気にするものですし、「その部署の役員からは承認を得ています」などと言えば説得しやすくなりますから。
また、部署それぞれでリスクととらえる部分は異なってきますので、相手に応じて違うアプローチの方法を考えたほうがいいでしょう。







