オーナー企業「上場1885社」全序列【2026年版】#20Photo by Manami Yamada

通信販売大手のジャパネットホールディングスは、小型家電メーカーのツインバードに対して買収提案を行ったが、同意が得られず断念した。両社は共にオーナー企業。そんな両社の買収協議は、オーナー企業の在り方を問うものでもあった。特集『オーナー企業「上場1885社」全序列【2026年版】』の#20の本稿では、ジャパネットホールディングスの高田旭人社長に、約半年間にわたった協議を振り返ってもらうとともに、今後の成長戦略と創業家出身である自身の経営姿勢について、語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

ツインバード買収交渉を
ジャパネットHD高田社長が回想

 ジャパネットホールディングス(HD)は6月、ツインバードに対して、当時の株価の約2倍に当たる1株800円で株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化を目指すと発表した。

 この買収提案に対してツインバードはその是非を検討。ジャパネットHDに買収されれば、既存事業との重大なディスシナジーが起こる可能性が高いと結論づけた。具体的には、小型家電の販売において、重要なチャネルである家電量販店との取引に悪影響となる点などを挙げ、ジャパネットHDの買収提案に対して反対を表明した。

 ジャパネットHDは、ツインバードの同意が得られた場合のみ、買収に踏み切ると宣言しており、ツインバードの反対表明を受けて、買収提案を取り下げることになった(本特集#1『ジャパネットがツインバードのTOBを撤回、残った“火種”とは?「上場オーナー企業」にアクティビストの厳しい目』参照)。

 両社は共に創業家が統治するオーナー企業だ。ツインバードの創業家である野水家にとっては、ジャパネットHDの提案を受け入れた場合は、長年の低収益を脱することができるかもしれないが、代々引き継いできた“家業”を手放すことを意味していた。

 一方で1株800円でのTOBは、ツインバードの一般株主にとって無視できない提案だったはずだ。従来の創業家による統治体制と、ジャパネットHDの傘下に入ることの、どちらが株主共同の利益に資するのか。この問いは突き詰めれば、ツインバードの創業家と一般株主、従業員らステークホルダーに対して、「会社は誰のものか」という問いを投げかけたに等しかった。

 結果は前述した通りとなったが、断られたジャパネットHDの高田旭人社長は今、一連の経緯をどう捉えているのか。創業家出身である自身の経営姿勢も併せて、話を聞いた。

――ツインバードへの買収提案とその断念に至った経緯を振り返って、今率直に思うことを教えてください。