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小型家電メーカーのツインバードは8月31日、通信販売大手のジャパネットホールディングスから受けていた株式公開買い付け(TOB)の提案に対して反対を表明した。それを受けてジャパネットは提案を取り下げ、約半年にわたって続いた両社の経営権を巡る協議は幕を閉じた。ツインバードは創業家出身の野水重明社長の下で新たに打ち立てた中期経営計画を完遂し、株主に対して現経営体制が最善だと証明しなければならなくなった。特集『オーナー企業「上場1885社」全序列【2026年版】』の#4では、野水社長にジャパネットとの協議の過程と新中計に対する意気込み、“家業”の将来について話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
ジャパネット提案に反対した理由
ツインバード野水重明社長を直撃
2026年6月、通信販売大手のジャパネットホールディングスは、1株800円で小型家電メーカーのツインバードに対して株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化を目指すと発表した。ただし、あくまでツインバードの賛同が得られた場合のみ、TOBに踏み切るという方針を表明。敵対的買収は行わないとあらかじめ宣言していた。
ツインバードはジャパネットの提案が「企業買収における行動指針」(経済産業省)に明記されている「真摯な買収提案」に当たる可能性が高いと判断。社外取締役で構成される特別委員会を立ち上げ、提案内容の協議を開始した。
その検討の結果、ツインバード取締役会は8月31日、ジャパネットの提案は既存事業とのディスシナジーが生じ得るなどの理由から反対を表明。それを受けて、ジャパネットは提案を取り下げ、経営権を巡る協議はあっさりと幕を閉じた。
ツインバードの野水重明社長にとっては、野水家の“家業”が人手に渡る事態を避けることができたわけだが、一方でジャパネット側が示した1株800円の株価は最低ラインとなり、さらに反対表明と同日に公表した30年までの新たな中期経営計画は、未達成が許されなくなった。
さらにジャパネットは、ツインバードの反対表明を受けて9月2日に発表した見解の中で、ツインバードの一般株主は、ジャパネットが提案したTOB実施後の施策とツインバードの新中計の、どちらが相対的に企業価値向上に資するか、意思確認の機会がなかったと指摘している(本特集#1『ジャパネットがツインバードのTOBを撤回、残った“火種”とは?「上場オーナー企業」にアクティビストの厳しい目』参照)。
野水社長をはじめとしたツインバード取締役会は今後、株主などのステークホルダーから、これまで以上に厳しく企業価値が向上しているかどうか、評価されることは間違いない。次ページで、野水社長に、協議の過程と新中計に対する意気込み、“家業”の将来について、話を聞いた。
――ジャパネットの提案についての反対理由を改めて教えてください。
優先順位の高い方から申しますと、重大なディスシナジーが起こる可能性が極めて高いことです。私たちは家電メーカーです。家電量販店さまとの付き合いは非常に長いものがあります。私たちは今年で創業75年なのですが、私の代ではなくその前の代から一番のお取引先で、金額面でも一番大きい。







