オーナー企業「上場1885社」全序列【2026年版】#17写真提供:石井食品、Photo by Yasuo Katatae

昨今、ガバナンス不全やワンマン経営といった負の側面に注目が集まることが多いオーナー企業。だが株主や取引先、社員など周囲からの厳しい視線を感じながら奮闘する40代経営者もいる。本特集では、物心ついた頃から家業を継ぐ後継者として、周囲から期待されてきた2人の40代経営者を取り上げる。特集『オーナー企業「上場1885社」全序列【2026年版】』の#17の本稿では、弁当の定番おかず、ミートボールで知られる石井食品の石井智康社長に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

ネガティブ面に注目集まるオーナー企業
若手現役経営者はどう捉えているのか

 創業家が大株主として君臨し、取締役としても経営のかじ取りをするオーナー企業。創業家ならではの強力なリーダーシップが発揮されるポジティブな面と同時に、ワンマン経営が行き過ぎてガバナンス不全に陥るネガティブな面も併せ持つ。

 そんなオーナー企業に対してはここ数年、ポジティブな面に注目が集まっていた。それは本特集#2のランキングで1位に入ったキーエンスや7位のファーストリテイリングのように、創業者の強力なリーダーシップによる、驚異的な成長事例があったからだ(『上場オーナー企業ランキング【総合版前編・上位942社】全1885社を6指標で判定!19位キッコーマン、7位ファストリ、1位は?』参照)。

 ところが今は、もう一方のネガティブな面に注目が集まるのも当然の状況だ。不正会計が引き起こしたモーター大手ニデックでは、2026年3月期に累計で合計1兆円規模の減損損失を計上することを発表。同時に、社長の岸田光哉氏が辞任した。元凶は創業者として同社を統治してきた、永守重信氏の行き過ぎた利益至上主義だ。不正発覚後1年以上がたつが、混乱は収まるどころか深刻化している。

 資本市場からのオーナー企業に向けられる視線は、いや応なしに厳しくなっている。物言う株主(アクティビスト)の活動は活発化しており、その動きを察知して非上場化するオーナー企業も後を絶たない(『物言う株主オアシスの最高投資責任者を直撃「日本には割安で放置されたオーナー企業が多い」、オーナー企業を追及する“急先鋒”はどこを突くのか?』参照)。

 では、こうした環境下で実際に経営に当たる、現役のオーナー家出身の経営者は、現状をどのように捉えているのか。本特集では、オーナー経営につきもののワンマン経営やガバナンス不全のリスクと向き合いながら、会社のかじ取りを担う40代経営者に話を聞いた。

#12に続き本稿で取り上げるのは、弁当のおかずなどで定番のミートボールが看板商品の石井食品、石井智康社長だ。小学生の頃から、石井食品とは無関係の人生を歩むことを決意していた石井社長が会社を率いることになる経緯と、ガバナンス不全に陥らないための心得について、次ページで語ってもらった。