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交渉決裂で米国はカナダに追加関税
カナダは報復関税で対抗も不利免れず
11月3日に投開票される米中間選挙を前に、トランプ政権にとっては新たな問題が浮上している。カナダとの貿易戦争だ。
トランプ政権の高関税政策実施で米国とカナダの対立は深刻化していたが、貿易交渉が決裂し、米国が8月22日に約200億ドル(約3.2兆円)相当のカナダ製品に追加関税を発動すると、カナダはこれに報復措置で対抗、本格的に貿易戦争の幕が切って落とされた状況だ。
両国は長年、経済的にもNAFTA(北米自由貿易協定)や、その後の米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)などによって、貿易や投資でも強く結びついてきた。しかし、貿易不均衡改善を掲げたトランプ政権の「自国第一主義」による高関税政策への転換を機に、両国の関係には大きな亀裂が入った。
今回のカナダ側の報復措置は、米国が追加関税などを課した品目から選定した鉄鋼・アルミニウム製品、家具、衣料品、家電製品などに対し、米国と同様に最大50%の関税を課すものだ。
客観的に見れば、カナダが米国との貿易戦争で長く対峙(たいじ)するのは困難にも思える。IMF(国際通貨基金)によれば、2025年の名目GDP(国民総生産)は米国が31兆ドルなのに対し、カナダは2.5兆ドルと、経済規模には10倍以上の差がある。
加えて、カナダの米国に対する経済的な依存度は極めて強い。25年のカナダの対米依存度(グローバル輸出に占める米国のシェア)は約72%に達する。対米輸出額(7780億ドル)は、カナダの名目GDPの約3割に相当する規模だ。
米国との貿易戦争が長期化すれば、カナダ経済に甚大な被害が及ぶことは自明に近い。
しかし、カナダ国内でのカーニー政権への支持は野党も含めて高く、それを求心力として、カーニー首相は欧州との関係強化、さらには中国への接近など「脱米国」を進めようとしている。
なぜカナダは、圧倒的に不利な状況にもかかわらず、米国との貿易戦争という選択に踏み切ったのか。一方で米国はあらゆる面で有利な側に立っているが、本当に無傷のままでいられるのか。
中間選挙で求心力回復を狙うトランプ政権にとっては、対カナダ貿易戦争は波乱要因になりかねない。







