「待てない」人の選択肢は旧型ディーゼル

 では「そんなに待てないよ」という人はどうすれば良いか。実はもうひとつ選択肢がある。先代CX-5のディーゼルである。

 めでたいフルモデルチェンジ。しかも9年ぶりだというのに、マツダは旧型の2.2リッターディーゼル搭載車を継続販売しているのだ。2026年10月2日更新のマツダ公式サイトには、旧型CX-5のSKYACTIV-D 2.2について、工場出荷までの目安が「1~1.5カ月程度」と案内されている。

 ここで注目したいのは、同じページに記載されているCX-3の扱いだ。こちらは2026年2月末に国内向け車両の生産を終了しており、以後は在庫車で対応し、在庫がなくなり次第販売終了すると明記されている。

 ところが旧型CX-5には、そうした注記が一切ない。しかも現在注文した場合の工場出荷目安まで示されているのだ。少なくともマツダは、旧型CX-5を生産終了後の在庫販売車としては案内していない。単に“売れ残りの在庫処分”という話ではなさそうだ。

 クルマに詳しい読者諸兄ならご存じだろう。成熟し尽くしたモデル末期のクルマは間違いなくおいしい。ましてやCX-5最後のディーゼルとなれば、一粒で二度おいしい。正しく令和のアーモンドグリコ状態である。

 新型の広い後席も、進化した乗り心地も魅力的だ。しかしアクセルを踏んだ時の力強さを重視するなら、200ps、450N・mを発生する先代ディーゼルには今なお捨てがたい魅力がある。新しいクルマなら古いクルマより必ず優れている。そんな保証はどこにもない。少なくとも今回のCX-5については、パワートレインに関する限り、旧型の方が魅力的だと私は感じている。

 不肖フェルが今CX-5を買うとしたら、先代ディーゼルを選ぶ。ただし、マツダがいつまで旧型との併売を続けるかは分からない。そう長くはあるまい。買うならお早めに。あるいは来年のマツダ独自の新型ハイブリッドを待つ。現行の2.5リッターマイルドハイブリッドを積極的に選ぶ理由は、残念ながら見つからなかった。