朝の脳は、これから始まる一日の判断を支えるために、できるだけリラックスしたままエンジンをかけていく必要があります。そこに自分では解決のしようのない問題を流し込む必要はありません。
世の中の動きから目を背けろということではありません。ニュースを見る時間を朝から夕方や夜にずらすだけです。朝食の時間はラジオや音楽に切り替える、テレビは消したまま窓の外を眺める、スマホの通知は思い切って切ってしまうなどのごく簡単な行動で朝の心を平穏に保つことができます。
写真はイメージです Photo:PIXTA
スヌーズで目覚めることが
睡眠に与える影響
朝、目覚ましが鳴る。止めて、あと5分。もう1回鳴って、また5分。そうやって布団の中で粘りながら、こんな起き方をしているようでは駄目だと、自分に小さくがっかりする。スヌーズ機能を使うたびにこうした罪悪感を覚えたりします。
この後ろめたい習慣を正面から調べた研究があります。ストックホルム大学のスンデリンらは、まず1732人にアンケートを行い、朝のアラームを何度かに分けて鳴らす人がどれくらいいるのかを数えました。すると、スヌーズを使うのは若い人と夜型の人にとくに多いとわかりました。朝が苦手な人ほど、アラームを小刻みに鳴らして、なんとか起き上がろうとしているわけです。
続いてスンデリンらは、ふだんからスヌーズを使っている31人を睡眠実験室に招き、脳波を測りながら2種類の朝を比べました。30分間スヌーズを繰り返してから起きる朝と、アラーム1回で起きる朝です。
結果は、スヌーズ派に少し安心をくれるもので、30分もスヌーズしたのに、失われた睡眠は約6分だけでした。起きた直後の計算や記憶のテストの成績は落ちておらず、テストによってはむしろ良くなっていました。
この結果の背景にあるのが、「睡眠慣性」と呼ばれる現象です。目覚めた直後に頭がぼんやりして働かない、あの状態のことで、冷えきった機械が動き出してすぐには本調子にならないのと似ています。この慣性は、深い眠りの最中に急に起こされたときほど強く出ます。







