言葉の品格という観点からは、使うのを控えるべきでしょう。

 特に、ビジネスの場で、慌てふためいている様子を描写する言葉を発すると、語彙力や品のなさを露呈してしまう結果となります。

 では、一流の人はどう答えるのか。「あいにくその日は予定が立て込んでおります」「直近は少々慌ただしくしておりまして」「その時期は締め切りの案件が多いため」――これらが適切な表現です。「慌ただしい」という言葉には、周囲の状況が動いているという客観性が感じられ、あくまで物理的な問題であることが示せます。同じ断るにしても、言葉の選び方ひとつで、相手への敬意が伝わります。

 さらに「◯◯の件がひと段落しましたら、ぜひご一緒させてください」と続けると、断りながらも次への扉を開けることもできますね。

 断る場面にこそ、その人の言葉の品格と人間性が表れるのです。

取引先から「LINEを教えて」
関係を壊さない上手な断り方

 ビジネスの場において、円滑に進んでいた関係の方から、「今度飲みに行きましょう、LINE教えてくれます?」と言われたら――。プライベートな領域まで開放したくない相手の場合、波風を立てずにどう断ればよいか?これは、意外とたくさんの方が抱えるお悩みのひとつです。

 関係を壊したくない。断れば仕事を失うかもしれない。そんな思いから、仕方なく教えてしまった――そんな経験をお持ちの方は、思いのほか多いのです。これは私のもとにも頻繁に寄せられる相談ごとです。

 こうした場面で大切なのは、「個人の意思」ではなく「ルール」を示すことです。たとえば、「ご連絡はメールで統一しておりますので」「社内で連絡手段を一本化しておりまして」「皆さまにそのようにお願いしているんです」「弊社のコンプライアンスの観点から、連絡はすべて会社指定のツールで管理する決まりがありまして」。

 この“ルール準拠の型”を使えば、相手個人を否定することなく、丁寧に一線を引くことができます。「あなたには教えません」ではなく、「そういうルールなのです」と伝えることで、品のある断り方になります。

「皆さまにそのようにお伝えしています」というひと言が、あなただけを拒んでいるわけではないと自然に伝わり、相手のプライドを傷つけることもありません。境界線を守りながら、関係もそのまま続けられる――これが、この型の最大の利点です。