中国最大の電子商取引(EC)などを手掛けるアリババ集団が、米ニューヨーク証券取引所に上場を果たした。同社はライバルの米アマゾンを上回る約23兆円という途方もない時価総額を付けた。過去にない勢いで成長するIT産業は、大きな富をもたらしいまや中国の花形産業になりつつある。
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「金持ちの父親も、有力者の叔父もいない。あるのは応援してくれる顧客だけ」。創業時からカネもコネもないと公言してきた50歳の男が、ついに中国一の大富豪の座に輝いた。
9月19日、中国の電子商取引(EC)最大手のアリババ集団が、米ニューヨーク証券取引所に上場を果たした。今回の新規株式公開で調達した資金はざっと250億ドル(約2兆7000億円)となり、過去最大のIPOとして世界中の投資家たちの熱い視線を一手に集めたのは記憶に新しい。
実際に、株が売り出されると買い注文が殺到して一時は100ドルに迫り、現在は80ドル台後半を推移(10月1日時点)。時価総額にして2120億ドル(約23兆3000億円)と、先行するライバルの米アマゾンの約16兆円を上回る企業価値を付けた。
その4日後のことだ。中国の大富豪の調査を続けている「胡潤研究院」が最新の2014年版レポートの中で、この馬雲(ジャック・マー)氏が中国一の富豪になったと公表して、波紋を呼んだのだ。