15年でトヨタを超えた
ジャック・マーの阿里巴巴集団

 2014年5月の上場申請から4ヵ月後、ジャック・マー率いる阿里巴巴集団(アリババ・グループ、以下企業名としては阿里巴巴集団を使用)はニューヨーク証券取引所への上場(*1)を果たしました。その特異な企業統治形態、中国における情報公開の不足などのマイナス要因を撥ねのけ、株価は公募価格(1株68ドル)を大きく上回る1株94ドルに達しました。

時価総額25兆円(2300億ドル)。トヨタ自動車のそれ(22兆円)を超える、超巨大企業の誕生の瞬間でした。これを超える企業は、グーグル、アップル、マイクロソフト、P&G、ウォルマート、ネスレなど20社に足りません。

 1999年3月の創業からわずか15年で、阿里巴巴集団はどうやってこの高みに登り詰めたのでしょうか? その「ビジネスモデル」は、これまでのプレイヤーたちとどう違っていたのでしょうか? なぜジャック・マーにはそれが実現できたのでしょうか? そしてそれを取り巻く競争とは!

 9月18日発刊の『ビジネスモデル全史』では、阿里巴巴集団の成功と中国市場を舞台にした競争を詳しく解説しています。

・ジャック・マーの阿里巴巴集団。巨大「無料モデル」で中国市場制覇(226頁~)
・現代版三國志:阿里巴巴に百度(バイドゥ)とテンセントが挑む(241頁~)

 この第96講では、これらをご紹介することにしましょう。

*1  2007年に香港市場にいったん上場したが、株式公開買付けにより2012年、上場を廃止した。