経営 × オフィス

ジョブズも実践した
職場の閉塞感を改善する方法

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第19回】 2015年2月18日
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ジョブズの発案したアップルの新社屋は
歩き、交流するための仕掛けが満載

 彼の発案によってつくられたアップル本社の新社屋「キャンパス2」、緑に囲まれた宇宙船のようなドーナツ状の建物だ。(詳細はこちら

 多くの人は、そのシンプルかつ未来的なデザインに関心を抱きがちだが、筆者はその機能こそが重要だと思っている。

 この建物、他のセクションに行くためには、基本的には、ドーナツの中をぐるっと回っていかねばならない。そのためには歩かねばならない。そして、その途中で想定外の人とあることもあるだろう。呼び止められて別の事案について話さなくてはいけないことも多いだろう。

 いずれにせよ、様々なセクションの人々が、移動し、交流するのを促進する場所になっている。

 すでにジョブズは、自身が創立したピクサー社の社屋デザインにおいても、同様のコンセプトで臨んでいた。ピクサーの社屋は、玄関が巨大なアトリウムになっており、そこにメールボックス、カフェテリア、そしてピクサー名物になっているシリアルバーなど、全社員が必要なセクションが固まっている。いやでも、皆1日に数回はそこを訪れなくてはならないのだ。

 そして、ヒット作の公開情報、大ヒット記念パーティ、社内イベントなどは、すべてこのアトリウムに社員全員が集まって行われる。皆が、歩いて、集まって、交流する機会を、意図的に演出する構造になっている。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

「ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹」

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