先日の中国出張時にさまざまな雑誌を購入した。世相を表す記事をいくつか紹介してみよう。

 中国版の「コスモポリタン」(女性ファッション誌)3月号は、「愛は家庭であって、家ではない」という特集を載せていた。住宅バブル下の激しい価格高騰によって、一般の人にとって、新規に家を買うことは大変な重荷になっている。

 巨額の住宅ローンを背負ったら、旅行に行く余裕はなくなるし、病気になったら大変。転職もしにくい。それほどまでして家を買うことに価値はあるのか? 大事なのは家庭ではないのか? そういった書き出しに続き、賃貸暮らしのゆとりある家庭が紹介されていた。

 中国版の「エスクァイア」(男性ファッション誌)、「ヴォーグ」(女性ファッション誌)の3月号はどちらも環境・エコロジー問題を大きく特集していた。それぞれの表紙を飾る中国人男優・女優は、環境意識が高いセレブらしい。

 3月14日の記者会見で、温家宝首相は、地球温暖化のコペンハーゲン合意を支持する方針を強調した。そういった政府の方針に加え、連日大きく報道されている中国南部の深刻な大干ばつも、ファッション誌の編集者の環境意識に影響を与えているようである。