国連の推計によると、今年の日本の人口におけるメディアン(中央)年齢は44.7歳である。中国の34.2歳、ブラジルの29.0歳、インドの25.0歳に比べ、圧倒的に高齢化している。

 2030年には日本のメディアン年齢は52.2歳になるという。高齢者が多い社会では、中央銀行が超低金利政策を導入しても経済への刺激効果は弱いだろう。金利が低いことを好感して住宅投資や消費を活発化させる若い世代が少ないからだ。

 労働年齢人口に対する従属年齢人口(若年者と高齢者)の比率は、日本の場合、1990年が最小で43%だった。この数値が小さくなっていく過程では、家計では消費に回せるおカネが増え、経済が活発化しやすい(いわゆる“人口ボーナス効果”)。

 今年の日本のその比率は56%であり、20年前に比べ13ポイントも悪化した。先進国でこれほど急速に悪化した国はほかにない。米国はこの20年ほぼ横ばいだ。BRICsでは軒並み大幅な人口ボーナス効果が表れている。30年の日本は71%になるという。

 一方でIMFは先日、15年の政府債務(グロス)対名目GDP比の予想を発表した。世界1位はやはり日本で250%である(2位はギリシャの140.4%)。高齢化、人口減という環境のなかで、政府債務が巨大に累積していく構図は、非常に厳しいものがある。