本連載ではこれまで、学校や教育委員会での「ITによる教育の拡張」を取り上げてきたが、今回から2回にわたり、個人向け教育サービスを紹介する。前編は幼児向け英会話サービス「GLOBAL CROWN」を運営するハグカム と、スマホ家庭教師「mana.bo」を運営するマナボの2社を取り上げる。
「毎日、おうちで英会話」を
実現するGLOBAL CROWN
ハグカムは2015年9月に所属していた企業から独立したばかりのベンチャー企業だ。代表取締役の道村弥生氏は、幼少期の原体験が人間育成に大きな影響を与えるという実体験や、6歳までに脳の80%がつくられる等の幼児期の教育の重要性を示すデータから、幼児向け英会話サービス「GLOBAL CROWN」を2015年11月に立ち上げた。GLOBAL CROWNの特徴は以下のとおり。
・英語の発音が優れる“日本人講師”とリアルタイムで英会話
・対象年齢は3~10歳
・自社開発iPhone/iPadアプリで講師の映像と教材を同時に共有(教材・カリキュラムも内製)
・1レッスン20分、週3~5回の反復レッスンが原則
・月謝 1.2~1.8万円
“オンライン英会話”はすでに多数存在するが、幼児向け・日本人講師は珍しい。これらのサービス・価格設計は「徹底的にママにヒアリングして定めた」(道村氏)という。月謝は一見高く見えるが、週1の通学型マンツーマン英会話は40分5000円(20分あたり2500円)程度であるのに対し、GLOBAL CROWNは880円と1/3程度だ(20分のレッスンが1ヵ月に約20回で1万7600円の“平日毎日プラン”で計算)。
だが価格以上にウケているのが「送り迎えが無いこと」だ。「共働きで送り迎えが困難」「下の子が小さくて家を空けられない」という保護者にとって、自宅でレッスンできる点は魅力だという。レッスンはなるべく毎日決まった時間での設定することを推奨しており、週1回の通学型よりも毎日のコツコツとレッスンできることが「英語の習慣化」や「伸びの実感」につながるメリットも大きい。決まった時間にレッスンが入ることにより「家事の時間が捻出できる」と保護者に好評。子育てに奮闘する親にとって「痒いところに手が届く」ことから、無料体験後の有料契約移行率は約5割と、この手のサービスとしては群を抜いて高い。