6月1日は経団連の新指針による選考活動の開始日。いわゆる「面接解禁日」である。就活生は一次、二次と面接を重ね、内定の出た企業の中から1社を選び、入社の意思を固める。
一方の企業の採用担当者にとっても、「面接解禁日」は、会社の採用方針や担当者の人事評価に直結するような、非常に重要な日である。
学生にとっても採用担当者にとっても「特別な一日」。その実態を解説する。
6月1日は「選考スタート日」ではない!?
「今日(6月1日)、学生が就活を終えてくれれば、いいんですが…」
企業の採用担当者のみならず、そこで働く若手社員たちも、祈るような気持ちで学生の動向を見守っている。これはいったいどういうことなのだろうか。
6月1日の学生たちの動向に、その答えがある。
「6月1日に面接を受ける企業をどこにしようか迷っています」
「リクルーターから『6月1日に選考を入れるように』と指示されました」
「6月1日の午前中に第一志望の企業の面接が取れた!がんばってきます」
ここ1週間で、学生たちからこのような報告を多く受けた。
ちなみに、現在の新卒採用のマーケットはいわゆる「売り手市場」である。
2016年卒の大学・大学院生の求人倍率は1.73倍。2009年以来、就職率は97.3%と1997年調査開始以来の最高値だ。この数字を見ても「学生が企業を選べる立場」であることは明白である。
6月1日の「解禁日」とは、企業が学生に対して面接の選考をスタートできる日として注目されることが多い。しかし、この「解禁日」とは、採用担当者にとって、優秀な学生たちが「わが社を第一志望と評価したか」が明らかになる重要な一日でもあるのだ。
今回は、企業の立場から、解禁日の意味を読み取ってみたい。