「給与額は減っているが、貯蓄額は増加」。こんなアンケート結果を、インテリジェンス(東京都千代田区)が発表した。調査対象は、関東、関西、東海エリア在住の25~34歳の正社員、契約社員の男女5000人。
貯蓄額「増えた」「変わらない」は7割以上
全体的に貯蓄額が増加中
これによると、平均年収調査は2009年に比べ、25~29歳で8万円、30~34歳で9万円の減額。ボーナス額の予想でも、2年連続で前年の支給額実績を下回る結果となっている。
しかし、これと相反する結果となったのが貯蓄額。回答者の中で、貯蓄が「増えた」と答えたのは34.2%。「変わらない」(40.1%)と合わせて約7割以上となり、「減った」(25.6%)を上回った。
細かい内訳を見ていくと、貯蓄額は「50万円未満」が最多の20.0%。「50万円未満」が最多だったことは昨年と変わらないが、割合は24.5%から4.5ポイントの減少となった。全体的に見て、給与額の減少にかかわらず以前と同額か、それ以上の貯蓄を続ける人が多いと見て良さそうだ。
貯蓄は「コツコツ」派が圧倒的
「使い道が見つからない」人も多い!?
それでは、どのようにして貯蓄額を増やしているのか。
圧倒的に多かったのは「定期的に一定額を貯金した」(565人)。「毎月の給料から決めた額のお金を絶対に貯金する」(27歳/男性/研究開発職)、「毎月、天引きで3万円貯金するように設定し、ボーナス時はさらに50万円増やした」(27歳/女性/一般事務職)というように、出費の多い時期か否かに関わらず、一定額を必ず貯蓄にまわしているようだ。
2番目に多かったのが「投資をした」(116人)。「株式投資により20万増」(32歳/男性/経理職)、「投資信託で定期的に収入があるようにした」(26歳/男性/生産管理職)。大きく賭けに出るというよりも、少額でも手堅く増やす傾向があると予想される。
さらに、「外食をしない」(109人)、「節約」(104人)と続く。「草食系になること、弁当男子になること、インドアに費やす時間が増えた」(25歳/男性/総務・労務職)、「化粧品などのコストを下げて節約した」(25歳/女性/技術・設計職)。
興味深いのが「特になし」(80人)、「使わない」(59人)、「買い物をしない」(30人)などの意見。「特に物欲もなく、使う時間もないので、勝手に貯まる」(30歳/男性/技術・設計職)、「使わなかった分が増えただけ」(26歳/男性/研究開発職)、「あまった分を貯金しているだけだが、なんとなく使わなくなったように思う」(32歳/女性/技術・設計職)、「買いたいものがなかった」(33歳/女性/一般事務職)。
特に意識しているわけではないが、「使い道が見つからないので何となく貯まっていく」様子。消費を煽る情報は量産されているが、「広告を打っても響かない」消費者は増加傾向にあるのかもしれない。
(プレスラボ 小川たまか)