ITコンサルタントとして活躍するF田さんが教えてくれたやり方に、「アウトライン・キーワード法」というのがあるので紹介しましょう。F田さんは、それまで「仕事は丁寧だけど遅い」と言われ続け、30代まではそれなりに評価されてきたのですが、40代半ば頃になるとそれでは回せないことに危機感を覚えて、考え方のパターンを変えるべく試行錯誤しました。

 アウトライン・キーワード法とは、どんな仕事であっても、スタートとゴールを最初に決めて、思いついたキーワードやキーフレーズを、思いついた順に一気にひたすら打ち込んでいく方法です。

 例えば、あなたが営業推進部のマネジャーで、そのお題が業績の向上だとすれば、スタートが「営業力強化」でゴールが「売上の昨対10%アップ」といったことになります。考えをスピーディーに言葉にすることがポイントですが、これは言語化しないとわからないことが多いのです。

 スタートとゴールを書き出した後は、そのゴールに到達するためにやるべきことを、思いつく限り列記していきます。これはキーワードやワンフレーズで問題なく、ランダムに書き出していきますが、いわばインタビューメモなどと同じで、ひたすら上から下にメモしていけば、後から見返してもだいたいわかります。

「スタート」→→→→→→「ゴール」の、「→」に当たることを、ひたすら思いついた順にメモしていく感じで、とにかく一気に書き出すことがポイントです。例えば、

スタート 営業力強化
↓・朝会で毎朝一分間ロープレを行う
↓・休眠顧客を新人に回らせる
↓・トップ営業パーソン3名の営業シーンをビデオに録画して、若手に模倣させる
↓・トップ営業パーソンの提案書をテンプレートとして、若手に模倣させる
↓・外部講師を招いて、営業研修とフォローアップ研修を実施する
↓・受注確率70%以下の案件にはクロージングの前に上司が同行する……など
ゴール 売上の昨対10%アップ

といった感じです。最後まで一気にアウトラインを書き出すことが重要で、後からもう一度細部に戻ったり順番を変えたりして、ブラッシュアップしていきます。

 ランダムでも、思いついたことをまず書くことです。全体の構成を練ったり、網羅性を高めようと、あれもこれもと可能性を探っていくと収拾がつかなくなりがちです。

 このやり方は文書にまとめる際には特に役立ちます。企画書、プレゼン資料をつくるなら、思いついたタイトル、項目、忘れてはいけない注意事項、必ず入れるキーワードなどを箇条書きでランダムに吐き出していきましょう。

 企画書をつくるために、複雑に考えるからドツボにはまりやすいのです。実際に言語化できないことは落とせませんから、とにかく書き出していけば全体像がおぼろげに見えてきます。そこがポイントで、慣れてくると徐々に書きながらカテゴリ分けや階層分けも見えてくるようになります。

 仕事ができる人は、「最初に一気に進めている」「全体像を素早く把握する」のが共通点です。だから周りからは速く見えるのです(実際、速いですが)。ダメな人は、あれこれ考えてスタートが遅くなる。全体像より枝葉の部分が気になってしまう。結果、余計なことに多くの時間を費やしてしまうというわけです。

 先に全体像が見えれば、重要な部分がどこかを把握できるので、そこにパワーも時間も集中できます。その結果、成果にもつながりやすくなるのです。

【ポイント】「アウトライン・キーワード法」で最初に全体像をつかむ

第13回に続く(6/22公開予定です)