NISAや、個人向けの確定拠出年金(iDeCo)、さらに、会社で加入する企業型の確定拠出年金(企業型DCなどと言います)など、自分で、お金を運用(育てる)ための制度が多くなってきました。
その制度を利用するときには、必ず「投資信託」という商品が入っています。この投資信託(とうししんたく)とはいったいどんなものなのでしょうか?
『新・投資信託にだまされるな!』や、『税金がタダになる、おトクな「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門』など著者累計45万部、大ベストセラーの著書がある竹川美奈子さんが、5年ぶりに改訂した『改訂版 一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』を上梓。
連載では、この新刊から、本当に良い投資信託をえらぶコツをご紹介します!

3つの会社のどこかが破たんしても
投資家のお金が守られるようにしている

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前回は、投資信託というのは、「商品をつくる」会社、「販売する」会社「管理をする」会社という、3つの違う会社がかかわっているという、仕組みのお話しをしましたね。

では販売会社、運用会社、そして受託会社(信託銀行)のいずれかが、万一破たんしたら、私たちが託したお金はどうなるのでしょうか。結論からいえば、三者のいずれかが破たんしても託したお金は守られるしくみになっています。

ただし、価格は変動するので元本割れすることはあります。それでは、以下、それぞれがもし破たんした場合をみていきましょう。

●販売会社(証券会社や銀行など)が破たんした場合

販売会社は投信を取引するときの窓口になります。投信を購入する際に支払ったお金は販売会社を経由して、信託銀行に行き、信託銀行が「顧客の財産」として管理を行っています。ですから、投信を購入した銀行や証券会社などが破たんしても、私たちの財産がなくなることはありません。

保有していた投信は、別の販売会社に移管されて、移管先の販売会社で引き続き取引することができます(破たんした販売会社でしか取り扱っていない商品だとそのときの時価で現金化されることもあります)。

●運用会社が破たんした場合

運用会社は「この会社の株を買う、売る」といった運用の指図を行うだけで、投資家のお金を預かっているわけではありません。

保管・管理を行うのは信託銀行です。破たんした場合には、運用していた投信はほかの運用会社に運用が引き継がれるか、「繰上償還」といってあらかじめ決まっていた運用期間よりも前に運用が強制的に終了され、そのときの時価で現金化されて戻ってきます。