NISAや、個人向けの確定拠出年金(iDeCo)、さらに、会社で加入する企業型の確定拠出年金(企業型DCなどと言います)など、自分で、お金を運用(育てる)ための制度が多くなってきました。
その制度を利用するときには、必ず「投資信託」という商品が入っています。この投資信託(とうししんたく)とはいったいどんなものなのでしょうか?
『新・投資信託にだまされるな!』や、『税金がタダになる、おトクな「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門』など著者累計45万部、大ベストセラーの著書がある竹川美奈子さんが、5年ぶりに改訂した『改訂版 一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』を上梓。
連載では、この新刊から、本当に良い投資信託をえらぶコツをご紹介します!
投資信託を買うことは、
「たくさんの会社を応援すること」だ!
前回で、投資信託というのは、私たち投資家からお金を少しずつ集めてひとまとまりにし、そのお金を運用の専門家が運用してくれる金融商品だとご説明しました。
1人ひとりが出すお金はそれほど多くなくても、まとまって数十億円、数百億円単位になれば、日本だけでなく広い地域の株や債券などに投資ができます。第1回では、ネット証券であれば、100円でアメリカの企業である、アマゾンやグーグルにも投資できるといったこともご紹介しています。
さらに、投資信託を買うのは、自分にも企業にも“いいこと”です。
私たちが、たとえば株式に投資する投信を購入するというのはどういうことでしょう?
投資したお金は運用会社を通じて、たくさんの会社に投資されます。つまり、私たちは投信を通じて会社の株を買い、そして保有することになります。
会社はそのお金を使って新しい工場をつくったり、機械を買ったりして、新しい製品やサービスを生みだします。長期的にそれらの会社が生み出す財やサービスの価値が向上していけば、それに伴って会社の価値も向上します。
その結果、会社の株価が上がったり、利益の一部を配当として受け取ったりという恩恵を享受できるわけです。
投信は会社の株がたくさん入った「詰め合わせ」でしたよね。日本の中にもキラリと光る会社はありますし、世界的な優良企業にも投信を使えば投資をすることができます。
投信という器の中にそうした会社がたくさん入っていれば、長期的に投信の価格も上がっていくというわけです。
自分ひとりで会社の株主になるにはまとまったお金が必要ですが、投信はひとつの商品を買うだけで、たくさんの会社の“プチ株主”になれます。投信という商品を通して、企業は世の中に役に立つ製品・サービスを提供できるし、投資家は資産をふやす機会を得られます。本来、投信は投資先の会社も、投資する私たちもハッピーにしてくれる存在なのです。