ゼネラル・エレクトリック(GE)が設立した全世界、事業を横断的に統括する組織、GGO(Global Growth & Operations)に迫る。

ゼネラル・エレクトリック副会長 ジョン・G・ライス<br />世界規模の全体最適を<br />達成する組織運営の要諦Photo by Kazutoshi Sumitomo

──昨年1月に設立したGGOという組織の狙いは何か。

 GGOは地域や事業部をまたいで、GEという企業の全体最適を達成するための組織だ。

 GEはグローバル企業として成功を収めてきた。世界120カ国以上でビジネスをし、売上高の約60%は本社を置く米国以外の地域が占めている。しかし、さらなる成功のために、これまでと違うマネジメントが求められる。

 一つは、グローバルでの強みとローカルでの最適なビジネスのやり方、この二つのバランスを取ることだ。世界のどの市場でも成功するための方程式はない。国によって顧客や商慣習などに合わせる必要がある。ただ、技術や人材といったGEのグローバルな強さを無駄にしてもいけない。

 また、今のビジネスは何よりもスピードが重要だ。GGOが事業部間の連携を円滑にすることで、複数の事業部が絡む案件でも、顧客が求めるスピードで回答を出しやすくなった。

──GGO設立による具体的な成果は出ているのか。

 例えば、昨年に発表したエアアジアからの航空業界過去最高規模の受注案件は、GGOが中核的な役割を果たした事例だ。アジア地域担当と航空事業部、研究所や本社のマーケティング部門といった各組織のコラボレーションを円滑にできたことが鍵だった。

──この取り組みの難しさはどこにあるのか。

 世界各国で人材や投資の適材適所を実現するために、全市場について規模や成長可能性を詳細に理解しなければならない。そして、ビジネスの結果が向上したか、GGOが説明責任を求められる。