高市氏の政策が「世界標準」で現実的だと言える理由Photo:Anadolu Agency/gettyimages

大手メディアは世論調査の結果と政局ばかり報じ、政策論がまるで深まらない自民党総裁選。躍る発言やキャッチフレーズにとらわれず、各候補の政策を徹底的に検証してみて辛口採点してみた。真の保守主義の観点から、新型コロナウイルス禍に苦しむ日本を救う候補者は誰なのだろうか。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)

イメージ中心で人気投票と化した総裁選
各候補の政策を徹底的に掘り下げてみた

 菅義偉首相の不出馬を受けて混迷していた自民党総裁選は、9月17日に告示を迎え、岸田文雄、高市早苗、河野太郎、そして告示前日の土壇場で表明した野田聖子各氏の4人が立候補した。

 連日のように誰が次の総理総裁にふさわしいのか、テレビなど大手メディアによる世論調査の結果が報じられているが、そこに政策論は欠落しており、イメージを中心に問う、まるで「人気投票」の様相を呈している。

 どの候補が選ばれると政策がどう変わるのか、その候補はどのような政策を実現したいのか、この日本という国をどうしていきたいのか、その説明や議論がまずあって、その上で候補者を選ぶことに本来であればなるはずであるが、このままではイメージで選ぶしかない。

 自民党の国会議員や地方議員、党員らはそうした論調を参照する傾向にあり、特に当選期数の若い衆議院議員たちはこれに一喜一憂しているようだ。目前に迫る総選挙で生き残ることを最優先に考えているからに他ならないのだが、それをいいことに、総裁選を長老と若手の対立に落とし込もうとするような報道まである。これではまるで意図的に既に勝負があったかのように見せたいかのようであり、そんなに総裁選を見る国民の目をゆがませたいのかと思いたくなる。

 候補者を選ぶ上で重要な政策論、各候補者がどのような政策を主張し、その実現を目指しているのかを検証し、日本の政治を、政策を転換させる重要な機会となりうる可能性を論じてみたい。