自民党の総裁選で筆者が注目している政策は、河野太郎氏が提言した「最低限の年金を保障する案」だ。ぜひ実行に移すべきで、国民年金(基礎年金)の財源を全額税金負担にするところからスタートすれば、「いいことだらけ」といえる。その八つの理由を解説しよう。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
自民党の総裁選で
最も注目される政策構想とは?
自由民主党の総裁選が注目を集めている。現在、4候補の政策が出そろって議論が始まった段階だが、筆者は、河野太郎規制改革担当大臣が提言した「最低限の年金を保障する案」(以下、「保障年金構想」と呼ぶことにする)に注目している。
河野氏が首相になった場合だけでなく、その他3氏のいずれかが首相になった場合でも、ぜひ実行に移すといい。
来年度から実現することが可能なはずだし(つまり来年の参議院選挙前にだ)、早ければ早いほどいい。
現在の日本にあって、効果的で望ましい「格差対策」であるし、将来の日本にとって必要で適切な「セーフティーネット」だ。
さて、「保障年金構想」と呼んでみたものの、現在、条件(何歳から、いくら支給するのかなど)として具体的な詳細が提示されているわけではない。だが、公的年金の保険料を払わなかった人に対しても、一定額の年金を支給するような年金制度を意味していることは確実だ。そうなのだとすると、現在の国民年金(基礎年金)の財源を全額税金にするところからスタートするといい。