Netflix版「新聞記者」、高評価の背後にある視聴者と遺族への「裏切り」とは写真はイメージです Photo:PIXTA

森友学園問題をテーマとしたドラマ『新聞記者』について、制作側と遺族の対立があったことを1月27日発売の「週刊文春」が報じている。日本アカデミー賞を受賞した同名映画のNetflix版ということもあり、話題となっていた作品だ。国内外での評価は?(フリーライター 鎌田和歌)

「森友学園問題」に関わった人たちをないがしろに?
文春はなぜスクープしたか

 ドラマ「新聞記者」は、1月にNetflix(以下、ネトフリ)で配信開始直後から話題となり、同サービスの国内視聴ランキングでも上位にランクインするなど好調だ。監督は藤井道人氏で、2019年に公開され、第43回日本アカデミー賞では最優秀作品賞などを受賞した同名映画と同じ人物だ。そのため、配信前から期待が寄せられていた。

 しかし、1月27日発売(2月3日号)の「週刊文春」が、「森友遺族が悲嘆するドラマ『新聞記者』の悪質改ざん」と題して告発リポートを掲載した。

 記事では、森友問題で自死した財務省職員・赤木俊夫さんの遺族、赤木雅子さんがドラマのプロデューサーや、「新聞記者」のモデルである東京新聞・望月衣塑子記者に不信を募らせていった経緯がつぶさに綴られている。

「週刊文春」は、2020年3月18日発売号の中で赤木さんの遺書を初めて全文公開した。また雅子さんから遺書を託されたフリー記者・相澤冬樹さんと雅子さんの共著『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』の版元は文藝春秋である。

 雅子さんの意思をないがしろにしたドラマ化は許せない、という気持ちが、遺書公開時から寄り添ってきた文春や相澤記者サイドにあったのかもしれない。

 個人的な感想としては、ネトフリ版「新聞記者」を見てもっとも気になったのは、現実では遺書を託されたのは相澤記者であったのに、それがドラマ内では望月記者をモデルとした女性記者になっていたことだ。