栄東が行う4段構えの「密」回避策

 全国最大規模の受験者を集める栄東中学校の第1回入試は、2020年秋の4つの模試の志願状況からは1割程度の志願者減が見込まれていた。ところが、願書受付初日には例年よりむしろ増加傾向の勢いになり、1月7日朝の時点でも5951人(前年比97.6%)と、ほぼ前年並みの志願者になりそうである。

 首都圏の中学入試の口火を切るだけに、栄東は「密」回避のため、最寄り駅までの交通機関と学校までの通学路とで4つの策を重ねている。

 まず、一日に受験生が集中することを避けるため、入試日を分割した。第1回入試を1月10日に加え12日にも設定し、選択制とした。その結果、合格発表は13日10時となっている。

 通学路での「密」を分散するため、栄東(本校)会場では集合時間を9時と10時に分けている。また、校庭を駐車場として開放、400台まで駐車可能としたことで、公共交通機関の利用者を減らすことも視野に入れている。

 さらに、一つの会場に集中することを防ぐため、グループ校と合わせて3校に受験会場を分散した。概数では、時差で分割した栄東(本校)が10日各800人と12日850人・900人、埼玉栄が10日550人と12日600人、栄北が10日800人と12日600人と、いずれも1000人以下に抑えている。それぞれ最寄り駅はJR宇都宮線「東大宮」、JR埼京線「西大宮」、ニューシャトル「丸山」と3方向に分散されている。

 これに加えて、1月29日には追試も設定している。もちろん、受験会場内での感染防止対策では、換気も含めて万全を期している。