真壁昭夫
仮想通貨(ビットコイン)の高騰は、金余りで流れ込んだ投資資金の流入が背景にあるが、IT技術の進歩で様々な機能を持った仮想通貨が生まれていることもある。仮想通貨が、金融取引やサービスなど、社会全体のイノベーション(革新)を進めるという期待だ。

G7サミットは、「自国優先主義」の米国・トランプ大統領と欧州首脳、中でもメルケル・独首相とが、自由貿易や地球温暖化の「パリ協定」を巡って対立。世界経済の舵取りに不安を残した。米独の足並みの乱れで株価が暴落した「30年前の悪夢」を思い起こさせる。

ソフトバンクが中東産油国などと共同で作った「10兆円ファンド」は米中が突出していた世界のベンチャーファンドの世界を変える可能性がある。それだけでなくソフトバンク自体もソフトバンクでなくなるかもしれない。孫正義氏が見据えるものは何なのか。

買収した海外子会社の損失がもとで、巨額の債務超過に陥った東芝が上場廃止の危機にある。損失を計上した決算が監査人のお墨付きを得られないうえに、債務超過解消のために打ち出した半導体事業の売却も難航する。株式市場から東芝が姿を消す日が来るのか。

韓国で誕生した革新系の文在寅新大統領は、対北朝鮮外交では日米と距離を置き、経済の再建でも財閥に依存した経済構造を変えるなど、これまでの保守政権と異なるアプローチを掲げる。だが舵取り次第では、国際的孤立と国内混乱で、朝鮮半島情勢が一層、不安定になる懸念がある。

ソニーの業績悪化を引き金に平均株価がバブル崩壊後最安値を記録した「ソニーショック」から15年。ソニーの好決算見通しが注目されている。強みだった本業のモノ作りに回帰する復活の戦略は、停滞が続く日本経済再生のヒントになるかもしれない。

東芝に次いで日本郵政でも買収した海外子会社で巨額の損失を出した。国内市場が飽和状態になり、グローバル化を加速させる日本企業が急増するが、リスクが高いうえに、マネジメントは不慣れな点が少なくない。海外買収戦略の見直しが迫られる事態だ。

朝鮮半島で一触即発の緊張が続いている。今後の事態が見通せないのは、中国、米国、ロシアの「大国」の思惑と利害が複雑にからんでいるからだ。大国の思惑を推し量りながら、門外漢の経済学者が北朝鮮の「近未来」を大胆予測してみた。

戦後3番目の長さの景気回復になった“アベノミクス景気”だが、肌感覚では回復を実感しづらい。超金融緩和と「官製春闘」、円安で支えられたのが実情で、個人消費などは低迷が続いている。朝鮮半島情勢の緊迫や過剰債務を抱える中国など、海外経済に不確実性が増す中で、年後半以降は、下押し圧力が強まりそうだ。

第474回
失業率は22年ぶりの低水準になり、労働市場のひっ迫はバブル期に迫る。人手不足のもとでは、長時間労働を減らそうという「働き方改革」も、省力化や生産性を上げる取り組みが伴わないと、実現するのは一部の大企業だけに終わる。改革の“矛盾”が表面化しかねない。

第473回
東芝が、米原発子会社、ウェスチングハウス(WH)の破産法適用を申請、「東芝経営危機」は新たな局面を迎えた。東芝では、収益を支える虎の子の半導体事業を売却し2018年3月期での債務超過を解消したいというが、見通しは立っていない。名門企業をここまで追い込んだのは、経営陣の“暴走”を止められなかったコーポレートガバナンス(企業統治)の不全だ。

第472回
英国のメイ首相は3月29日にEU基本条約の第50条を発動し、正式にEU離脱(ブレグジット)の通告を行うことを決めた。しかし、今後、どのようにブレグジット交渉が進展するかはかなり不透明だ。この影響は大きい。

第471回
大統領の罷免にまで至った韓国の不安定はアジアに新たな緊張をもたらす。日韓関係でも韓国新政権は、求心力を得るため「反日」姿勢を強めると予想される。日本は、インフラ整備支援などの経済外交でアジアに「親日国」を増やすことが大事だ。

第470回
三越伊勢丹ホールディングス(HD)の大西洋社長の突然の辞任は、爆買いブームで一時的に隠されていた百貨店業界の構造問題を改めて浮き彫りにした。“インバウンド特需”に頼るのでなく、ビッグデータ活用などで、新しいビジネスモデルをどう作るかが再生のカギだ。

第469回
便利なサービスがあふれる日本だが、宅配急増に運転手らが悲鳴を上げた。宅配便ヤマトの問題が浮き彫りにしたのは、人手不足という日本経済の新たなボトルネックだ。労働力不足解消のため、大胆なイノベーションに官民あげて取り組む必要がある。

第468回
韓国経済はサムスンを筆頭とする財閥に支配され、歴代の大統領や政府関係者が、大手の財閥企業と癒着することにもつながった。韓国は、中長期的な視点で、公平に所得を再分配できる経済体制を再構築するべきだ。

第467回
名門企業である東芝がここ数年、世間を騒がす経営問題が相次いでいる。その原因を一言でいえば、経営者が「高収益計上の誘惑」に負けたことだろう。そして、それをカバーすべきガバナンスが働かなかったことだ。

第466回
入国制限問題の混乱以降、最近のトランプ政権の政策運営を見ていると、今後の米国内だけでなく、国際社会にマイナスの影響が及ぶとの懸念が高まっている。わが国はどのように対応していくべきだろうか。

第465回
1月27日にトランプ大統領が署名したイスラム圏7ヵ国からの入国を制限する大統領令を巡り、政権批判が一気に、噴出している。米国内の産業界や法曹界からも、大統領令への批判は強い。

第464回
トランプ大統領が唱える保護主義政策には明らかな矛盾がある。トランプ氏自らが現実的な政策への修正を進められるか。わが国は自国の理解者を獲得し、多国間の経済連携の重要性などを世界に発信すべきだ。
