真壁昭夫
安倍晋三首相は「国民に信を問う」と述べ、衆議院を解散し10月22日に総選挙を実施すると表明した。正直なところ、何の信を問うのかが分りにくい。一方、安倍政権の経済政策=アベノミクスを評価すると…。

人類の歴史の中では、時にそれまでの潮流を大きく変えるような「非連続な事象」が発生することがある。9月18日に発生した、米国トイザラスの経営破綻もその一つに入るかもしれない。

欧州の主要国などが、一斉にガソリンエンジン車の禁止、電気自動車への転換を発表しているが、その動きは、今後、さらに大きな“大波”になることが考えられる。日本の自動車メーカーは対応できるのだろうか。

現在、世界的な流れとして、いわゆるネット企業が注目を集めている。彼らのビジネスには莫大な成長余地が存在するが、ネット分野ゆえの問題点を抱える企業もある。今後、法律やルール、制度の整備が必要になるだろう。

最近、フリマアプリなどインターネットを通した個人間の取引を見ると、企業が提供しきれていないモノやサービスが多い。そうした新しい潮流は重要なのだが、今後、さまざまな問題が出てくることが想定される。

トランプ大統領はバージニア州シャーロッツビルにおける白人至上主義団体と反対派の衝突について、「反対派にも責任がある」との見解を示した。その発言を受け、政権内部をはじめ、さまざまな分野から反発が出ている。

北朝鮮のミサイル問題は、米国トランプ大統領と北朝鮮金主席でチキンゲーム化している。足元では米国政府の高官が北朝鮮との対話の可能性に言及するなど、緊張感は若干低下したが、すぐに鎮静化につながるとは考えづらい。

現在、韓国経済はゆるやかに回復している。それを支えているのが、サムスン電子をはじめとする財閥企業だ。ただ、一部の財閥企業に依存するだけでは国民の間の格差が広がり、韓国経済の実力を高めることにはならない。

外交交渉をビジネス交渉と取り違えているトランプ政権は、今後も北朝鮮への強硬姿勢をとり、中国に圧力行使を迫るだろう。その結果、北朝鮮問題を巡る国際的な議論の中で米国は孤立する恐れがある。

韓国の文大統領はわが国とのシャトル外交の再開に合意した。ただ、本気でわが国との関係改善を図ろうとしているかは疑問だ。中でも、慰安婦問題を再び蒸し返す意図が見られる。日韓関係が冷え込む展開も考えられる。

2期目の政権運営を狙う習近平国家主席は、政治ライバルへの取り締まりを強め、主要ポストに自分の息のかかった人物を据える一方、対立する大物政治家を追い落とす姿勢が明確。対外的には力の外交を推し進めるはずだ。

韓国の文在寅氏が大統領に就任してから約2ヵ月が経過した。同氏の北朝鮮に対する基本姿勢は対話重視。しかし、北朝鮮にはまともな対話をする意思があるようには見えない。文大統領はどうするつもりなのか。

企業業績が改善する一方、主要国の金融緩和策の"流動性相場"が世界の株式市場を支えてきた。その金融政策が、わが国を除く欧米先進国で転機を迎えている。株式市場にとっては、かなり大きな環境変化になることだろう。

30年ぶりの新記録である公式戦29連勝など、藤井プロの話題には事欠かない。特に関心を集めているのが、藤井四段が、AIを用いた将棋ソフトを使って技の研究を行ってきたことだ。

ネットを通じてさまざまな取引ができるようになり、その膨大なデータが新たなビジネスチャンスを生む社会では、ネットワーク空間を囲い込むことが収益拡大につながる。その競争の先頭を走るアマゾンだが、ネットワーク社会の落とし穴も潜んでいる

米国連邦準備理事会(FRB)が4回目の利上げに続いて、秋からは量的緩和策で買い入れた米国債などの残高削減を始める見通しだ。金融正常化へ動き出したFRBだが、これまでの緩和策による「過剰なドル」で守られてきた世界経済が混乱しかねない新たなリスクもある。

仮想通貨(ビットコイン)の高騰は、金余りで流れ込んだ投資資金の流入が背景にあるが、IT技術の進歩で様々な機能を持った仮想通貨が生まれていることもある。仮想通貨が、金融取引やサービスなど、社会全体のイノベーション(革新)を進めるという期待だ。

G7サミットは、「自国優先主義」の米国・トランプ大統領と欧州首脳、中でもメルケル・独首相とが、自由貿易や地球温暖化の「パリ協定」を巡って対立。世界経済の舵取りに不安を残した。米独の足並みの乱れで株価が暴落した「30年前の悪夢」を思い起こさせる。

ソフトバンクが中東産油国などと共同で作った「10兆円ファンド」は米中が突出していた世界のベンチャーファンドの世界を変える可能性がある。それだけでなくソフトバンク自体もソフトバンクでなくなるかもしれない。孫正義氏が見据えるものは何なのか。

買収した海外子会社の損失がもとで、巨額の債務超過に陥った東芝が上場廃止の危機にある。損失を計上した決算が監査人のお墨付きを得られないうえに、債務超過解消のために打ち出した半導体事業の売却も難航する。株式市場から東芝が姿を消す日が来るのか。
