相次ぐ大企業の“お家騒動”
そがれる企業の発展エネルギー
最近、ロッテや大塚家具など、大企業の創業者一族間の“お家騒動”が世間を騒がせている。親族間での深刻な意見対立は昔も今も変わらない。問題は、“お家騒動”によって、公器である企業の発展エネルギーがそがれることだ。
大塚家具の例では、一旦は親族間の争いが収まったかに見えた。しかし、その後の業績の推移を見ると、お家騒動の後遺症が残っていることがわかる。そのマイナスは大きい。ロッテの場合、兄弟同士の非難の応酬が収束する兆しは見えない。親族間の争いの根は深く、混乱は続きそうだ。
一般的に、人間には自己主張の意識や、権力を手にしたいという欲求がある。それが、意見の対立や、人間関係の悪化につながることは多い。特に、経営に関与する一族郎党の間で仲たがいが起きると、対処は容易ではない。血のつながりがある故に、骨肉の争いに発展することが多い。
多かれ少なかれ、わたしたちは自分の行いに何らかのプライドや自負を持っている。特に創業者の場合、自らの才覚、努力でゼロから事業を起こし、一大企業にまで成長させたという強い自負があるはずだ。そのため、親族の経営を見ていると「手ぬるい」、「おかしい」と感じることも多々あるだろう。それが、過剰な経営への干渉と対立を生む。