楠木 建

一橋ビジネススクール教授

一橋ビジネススクール教授。
1964年東京生まれ。専攻は競争戦略。企業が持続的な競争優位を構築する論理について研究している。1989年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年より現職。
『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)など著書多数。「楠木建の頭の中」(https://lounge.dmm.com/detail/2069/)というオンライン・コミュニティを運営している。

第14回
経営センスの習得に教科書はない――では、MBAコースの価値はどこにあるのか?
楠木 建
この連載では「スキルだけでは経営者になれない、センスが大切」と訴えてきた。「では、ビジネススクールのMBA教育は、教科書を使ってスキルを教えているだけなので、経営人材の育成には役立たないのでは」という、とある読者のしごく真っ当な疑問に対し、楠木教授が答える。
経営センスの習得に教科書はない――では、MBAコースの価値はどこにあるのか?
第13回
日本の金融業への期待
楠木 建
日本の金融機関のCEOの報酬がわりと低いのは、日本の金融のレベルが低く、欧米の金融業のように稼げないからだと説明されることがある。しかし、それは逆にいえば、ウォール街が開けてしまったパンドラの箱にまだ毒されておらず、健全な商売ができる土壌があるということだ。
日本の金融業への期待
第1回
現場「たたき上げ」から生まれたイノベーションの方法論(前編)
楠木 建
新たな「創造性」や「発明」を顧客価値の創出につなげ、イノベーションを起こすには、異能な人材を共同作業にあたらせ、チームを駆動させる難しさを伴う。その実践法をまとめた弊社刊『イノベーション5つの原則』のエッセンスとして、楠木建・一橋大学大学院教授のまえがきを全2回でご紹介する。
現場「たたき上げ」から生まれたイノベーションの方法論(前編)
第12回
森を見て木を見ず、葉を見て木を見ず
楠木 建
ある企業が儲かっている理由を説明するとき、多くの人は「景気」や「業界構造」といった要因に(おそらく無意識のうちに)注目する。しかし、こうした表層的な「目立つ」「わかりやすい」要因では、個別企業ごとの収益性の違いを説明できないし、当然、企業経営の意思決定に役立てることもできない。
森を見て木を見ず、葉を見て木を見ず
第11回
「抽象」と「具体」の往復運動
楠木 建
ビジネススクールで勉強しようという人の動機として、「具体的で実践的な知識を習得したい」という声がよく聞かれる。“具体”は実践的で役に立つ、“抽象”は机上の空論で役に立たない、と決めつけてしまうような風潮がビジネスの世界ではあるが、それは思い違いだ。
「抽象」と「具体」の往復運動
第10回
「好き嫌い」の復権
楠木 建
会社内での議論や意思決定では、好き嫌いについての話は意識的・無意識的に避けられる傾向がある。好き嫌いで決めてしまうと、意思決定の組織的な正当性が確保しにくい。いきおい客観的な「よしあし」の物差しが前面に出てくる。しかし、実際には優れた会社ほど、好き嫌いのレベルで議論が飛び交っているようだ。
「好き嫌い」の復権
第9回
「情報」と「注意」のトレードオフ
楠木 建
大量の情報が氾濫する時代のなかで私たちの日常はまさに「IT漬け」だ。ITの進歩がそのまま知的生産性の増大につながればいいが、実際はまったくそうなっていない。ハーバート・サイモンの「情報の豊かさは注意の貧困をもたらす」という名言を切り口にこの問題を考える。
「情報」と「注意」のトレードオフ
第8回
「専業」の国、日本
楠木 建
日本企業のこれからの方向性を考えたとき、「専業」が一つのキーワードになる。ダイキン工業、日本電産、任天堂、スズキなど、これだと決めた領域に長期的にコミットし、商売をどんどん深掘りしていく、よい意味で中小企業の経営スタイルを維持することの強さについて考える。
「専業」の国、日本
第7回
グローバル化の3つの壁(その3)「経営者」の希少性
楠木 建
グローバル化の壁その3にして、日本企業にとって最大の壁は、「商売丸ごとをリードできる経営者人材の不足」。グローバル化の本質とは単に言語や法律が違う国に出て行くということではなく、商売の「非連続性」にある。それまでのロジックが通用しない状況でビジネスをやりぬけるだけの商売センスが必要とされる。
グローバル化の3つの壁(その3)「経営者」の希少性
第6回
グローバル化の3つの壁(その2)多様性の先にあるもの
楠木 建
前回に引き続き日本企業の「グローバル化の壁」について考える。2つ目の壁は、「多様性」。昔ながらの島国根性で日本人は多様性のマネジメントが下手だ、これではグローバルに通用しない、これからは「ダイバーシティ」で「クロスカルチュラル」が大切だ、とかまびすしいが、本当だろうか。
グローバル化の3つの壁(その2)多様性の先にあるもの
第5回
グローバル化の3つの壁(その1)過剰英語への構えの過剰
楠木 建
日本人・日本企業がグローバル化しようとするときに直面しがちな「3つの壁」について、3回に分けて考えていく。一つ目の壁は「英語」だが、はたしてグローバル化時代に求められているのはほんとうに英語力なのか?
グローバル化の3つの壁(その1)過剰英語への構えの過剰
第4回
日本の問題は複雑だが、不確実ではない
楠木 建
反対派と賛成派の意見が対立し議論が沸騰するTPPしかり、今の日本が抱えている課題は複雑だが、不確実なものではない。政治が解決できる問題だ。政治家は単なるスローガンではなく国民が共有できる「ストーリー」を語らなければならない。
日本の問題は複雑だが、不確実ではない
第3回
経営はすべて特殊解。抽象化して本質をつかまなければ意味がない。
楠木 建
「この会社はなぜうまくいっているのか?」という疑問に対し、「水平分業だから」と答えたところで、「なぜ」に答えたことにはならない。カテゴリーに当てはめて安直に納得せずに、背後にある戦略ストーリーを深く見なければならない。
経営はすべて特殊解。抽象化して本質をつかまなければ意味がない。
第2回
『ストーリーとしての競争戦略』への批判について思うこと
楠木 建
経営学書として、異例のベストセラーとなっている『ストーリーとしての競争戦略』。その著者の元には、日々数多くの反響が届く。当然のことながら、なかには批判の声も多いのだが、そうした批判の背後にあるものは何か。考察を巡らす。
『ストーリーとしての競争戦略』への批判について思うこと
第1回
グローバル化せざるを得ない?そんなこと誰も頼んでないですよ
楠木 建
停滞する日本経済のなかで企業成長は望めない。経営者はよく「生き残りのためにグローバル化せざるを得ない」と言うが、その言葉は経営の自己否定だ。ビジネスの根本原則は「自由意志」。経営者が「やらされ感」では始まらない。
グローバル化せざるを得ない?そんなこと誰も頼んでないですよ
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