
長内 厚
忘年会に「行きたくない」「そんなもの消滅すればいい」などと嫌う若手社員が増えている。今のご時世、忘年会の強制はパワハラになりかねないとも言われるが、ちょっと待ってほしい。日本の職場に忘年会は本当に必要なくなったのか。

ソフトバンクが歴代で最大級のIPOを行ったが、初値は公募価格割れという結果に終わった。最近、多くの逆風が吹いていることもあるとはいえ、同社やグループ会長の孫正義氏に対して、日本人の評価は手厳しすぎるのではないだろうか。

中国・ファーウェイの副社長が、カナダで拘束された。携帯電話市場において、端末と基地局の両方を抑える5G時代の牽引役に最も近い同社の存在が、改めて注目されている。ファーウェイの足を引っ張っているのは、本当は誰なのか。

サッカー日本代表のW杯が終わった。ベルギー戦終盤で得点のチャンスから一転、敵のカウンターで失点したことを考えると、ポーランド戦終盤のパス回しは英断だった。実はこれ、厳しい市場を戦う企業経営者にとっても重要な思考なのだ。

安倍政権は働き方改革で、生産性向上のためにAIやロボットへの投資を推進する。これまで日本が得意としてきた「AIBO」「Pepper」などの協働型ロボットは欧米で理解を得られなかったが、今後は日本のロボット観が注目されそうだ。

シャープは1年4ヵ月ぶりとなる東証一部復帰に合わせ、戴正呉社長を含む4人の共同CEO制に移行するという。この後継者選びの実質先送りは、大胆で迅速な意思決定を得意とする鴻海らしくない。背景にはどんな思惑があるのだろうか。

ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建策が発表され、外部資本の導入や有機ELの開発を加速させる旨の発表がなされた。今さら有機ELにシフトするのは、いかがなものだろうか。バラ色の未来が待っているとは、到底思えない。

東芝が産業革新機構、日本政策投資銀行、ベインキャピタル、韓国SKハイニックスによる「日米韓連合」と半導体事業の売却交渉開始を決定した。この交渉には、東芝の再生ストーリーは見えるだろうか。筆者にはそうは思えない。

東芝のWH社破産申請と半導体売却が大詰めを迎えている。ここに及んでは、競争力のある半導体事業の売却もやむなしと思われるが、意思決定に関してはよくよく考えるべきである。東芝のみならず、日本に与える影響が大きすぎるからだ。

第21回
トランプ政権がイスラム圏からの入国禁止令を出して以降、筆者が在席するハーバード大学の当局から、海外からの学生や研究者を気遣う「異例のメール」が矢継ぎ早に送られた。「学問迫害」で米国はどうなるのか。憂いを禁じ得ない。

第20回
東芝が崖っぷちに立たされている。巨額損失を生んだ原発を注力事業から外すという同社の判断は、一見すると正しいかのように見える。しかし、本当にそうだろうか。東芝は安易にそうすべきではないと筆者が思う理由を述べよう。

第19回
「好調」「鈍化」という評価が入り混じるiPhoneだが、来年発売予定の「iPhone8」には有機ELパネルが採用されると言われる。その供給元として日本メーカーの名が挙がっているが、有機ELへの投資は彼らにとって本当に商機だろうか。

第18回
トランプ氏の腹心、スティーブン・バノン氏が「シリコンバレーにはアジア人CEOが多すぎる」と発言したことは、米国のIT・ハイテク産業にとって脅威になりそうだ。ただ、それは日本の家電メーカーにとってのチャンスとも考えられる。

第17回
サムスンの高級スマートフォン「Galaxy Note 7」の発火問題は、リコールでは解決せず、生産終了、全品回収という結末を迎えた。この問題は単なる一製品の問題ではなく、海外戦略を考える上で日本メーカーも傍観できない理由がある。

第16回
様々な製品やサービス分野において、VR(バーチャルリアリティ)のブームが再燃している。しかしVRは、これまで一過性のブームを繰り返し、本格的な普及には至らなかった。今回のブームにも見えるビジネスとしての「壁」を検証しよう。

第15回
予想通りと言うべきか、予想以下と言うべきか、発表されたiPhone 7は予想を上回る驚きを市場に与えられなかったようだ。そんなiPhoneに需要面でも供給面でも依存しているのが日本である。果たして、アップル依存体質の日本の行方は?

第14回
技術的なイノベーションは全て同じ性質のものではなく、時間経過と共に異なるイノベーションが発生するという理論がある。この理論は、アイドルのプロデュースにも当てはまりそうだ。最近世間を騒がせたSMAP解散の必然性を読み解こう。

第13回
小池百合子新都知事、自動車のマツダ、そしてエレクトロニクスのアップル。政治家、企業の別を問わず、これらの成功者には、多くの企業が学ぶべき「顧客掌握術」と言える共通点が存在している。成功の「3つのポイント」とは何か。

第12回
「ポケモンGO」大ヒットに見る、ソニーが敵わない任天堂の強み
任天堂が発売したスマホ向けゲーム「ポケモンGO」が米国で大ヒットし、社会現象となっている。勝因は同社の「持たない強み」が冴えたことにあると思う。ハードウェアにこだわらないDNAが、スマホ向けゲームでソニーに打ち勝ったのだ。

第11回
英国が国民投票によってEUからの離脱を決めたことは、世界の金融、経済を大きく振り回す迷惑この上ない事態を招いている。英国に進出している日本企業への影響が懸念されているが、そもそもこれからの英国は我々にとって必要な国なのか。
