「こんなに伸びている食品はない」と言われるほど急成長しているグラノーラ。爆発的人気を仕掛けたカルビーはもちろん、ケロッグや日清シスコも次々と新商品を出している。
80年代から商品はあったが…
カルビーが仕掛けたヒット
2015年は10年との比較で市場が7倍に拡大し、注目されるグラノーラ。コーンフレークなどと同じでシリアルの一種だが、日本スナック・シリアルフーズ協会の統計を見ると、グラノーラだけが突出して伸びている。シリアルのみならず、食品全体で見ても「こんなに伸びているジャンルはない」と言われるほどの人気ぶりだ。
グラノーラが大きく伸び始めたのは12年頃からだが、商品自体の歴史は古い。100年以上前、ケロッグの創業者が作り出した「グラノーズ」がルーツだ。日本でも既に1988年にカルビーが商品を出していたし、ケロッグもその頃、グラノーラに似た商品を出していたという。
爆発的ヒットに至ったきっかけはカルビーの商品リニューアル。「売上高100億円を目指せ」というトップの大号令のもと、さまざまな販促を展開してブレイクした。カルビーのヒットを見て本格参戦をしたのがケロッグと日清シスコ。現在、グラノーラの市場シェアは約半分がカルビー、残りをケロッグと日清シスコが分け合う展開だ。
袋を開けて牛乳やヨーグルトをかけるだけ、という簡便さがウケているのはもちろんだが、ヒットの起爆剤になったのが「腸活」ブーム。食物繊維と乳酸菌に注目が集まった。水溶性の食物繊維を栄養に、乳酸菌が腸内で活動をする。この知識がテレビや雑誌で何度も取り上げられたことが、グラノーラヒットの追い風となった。
「実際、食べ続けているお客様から『確かに良い効果が実感できる』との声を頂戴しています」。藤原かおり・カルビーマーケティング部フルグラ事業部長は、こう話す。こうして健康への意識が高い層からグラノーラ人気が広まった。