ソフトバンクのPDCAは何が違うのか?

 ソフトバンクでも、この基本の考え方を大切にしているのですが、ある工夫をしてさらに速く確実にPDCAを回しています。

 どんなふうに実行しているかは、先ほどのコンビニの事例で説明していくとわかりやすいと思います。

 (1)新商品の「1ヵ月の販売目標」を決める
 (2)「1ヵ月の販売目標」から逆算して、「1日の販売目標」を立てる
 (3)新商品のリストを作り、1ヵ月と1日ごとの販売計画を立てる(PLAN)
 (4)リストに挙がったすべての商品を同時に販売する(DO)
 (5)毎日、「1日の目標」を達成できたか検証する(CHECK)
 (6)検証をもとに、商品の並べ方、見せ方などを毎日改善する(ACTION)
 (7)1ヵ月後、どれが「1ヵ月の販売目標」を達成できる商品かを数字で検証する
 (8)「1ヵ月の販売目標」を達成できる商品に絞って販売する

 通常のPDCAとどこが違うでしょうか。
 ポイントは次のところです。

・「大きな目標」(1ヵ月の販売目標)と「小さな目標」(1日の販売目標)がある
・1つの商品を順番に試すのではなく、複数の商品を一度に試す
・1ヵ月後に結果を検証するのではなく、毎日結果を検証している
・一番すぐれた商品を絞り込み、そこに集中している

 人気になりそうな商品が、おにぎりなのか、アイスなのか、パンなのか、飲み物なのか。コンビニ利用者や周辺に住んでいる人の属性や行動パターンを詳細に調べ上げる余裕があるなら、ヒットしそうな商品の目星もつくかもしれません。しかし、それもあくまで予測であり、確実な答えとはいえません。

 それなら、最初からたった1つの正解を見つけようとするのではなく、ヒットしそうな商品を同時にすべて並べてしまう。そうすることで、何が売れる商品かがおのずと明らかになります。これが高速PDCAです。

 この方法なら、PDCAより速いスピードで、なおかつ正確に、どれが主力の商品になるかわかるわけです。仕事の仕組みの違いが、そのまま結果へと直結します。